堀内誠一さんの絵で味わう、グリム童話の名作『あかずきん』
堀内誠一さんの絵で味わう、グリム童話の名作
『あかずきん』
「むかしむかし、あるところに……」から始まる、昔話の数々。強く優しい男の子たちや、賢く勇気ある女の子たちが登場し、機転を利かせて何を逃れたり、勇敢に敵と戦ったりするお話は、世界中で語り継がれ、子どもたちを魅了してきました。
そんな昔話の中でも特によく知られるのが、「ヘンゼルとグレーテル」「白雪姫」「ブレーメンの音楽隊」「灰かぶり(シンデレラ)」など、グリム兄弟が集めた「グリム童話」ではないでしょうか。本日ご紹介するのは、誰もが一度は聞いたことがあるグリム童話を、美しい言葉と絵で味わう絵本『あかずきん』です。
赤いビロードのずきんをかぶった女の子 あかずきんは、病気のおばあさんのところにおかしとぶどう酒を届けにいく途中で、おなかをすかせたおおかみにで出会います。おばあさんとあかずきんを食べてしまおうと考えたおおかみは、あかずきんをそそのかして寄り道させている間に、おばあさんのもとへ。やっとおばあさんの家にたどり着いたあかずきんを待っていたのは……。
この絵本『あかずきん』は、1970年代にペーパーバック絵本として刊行されていたもので、長年手に取ることができない状態になっていた幻の1冊です。今回、大切に保存されていた原画をもとに、当時刊行されていたものよりも原画の色を忠実に再現した形で、新たにお届けすることになりました。
生き生きとした文章は、『スーホの白い馬』や『長くつ下のピッピ』など、多くの海外児童文学を翻訳してきた大塚勇三さん。そして、絵を手がけたのは『ぐるんぱのようちえん』などの堀内誠一さん。物語によって様々な画風を楽しめる堀内さんの作品ですが、『あかずきん』では、鮮やかな色彩と、どこかおかしみ漂う登場人物たちが魅力的!また、堀内さんの未発表原画が贅沢に使われた見返しも必見です。
初めてグリム童話に触れる子どもたちにも、改めて名作を味わいたい方にもおすすめの1冊。ぜひおうちで昔話の世界を堪能してくださいね。
担当・T
可愛い名前だと思っていた「シンデレラ」が「灰かぶり」という意味だと知った時は、衝撃を受けました。
2020.05.15