日々の絵本と読みもの

「とうふ」ってどうやって作るか知ってる?『おとうふやさん』

『おとうふやさん』

冷や奴、湯豆腐、みそ汁の具、サラダなど、日本の食卓に欠かせない食材、「とうふ」。油揚げや厚揚げ、がんもどきなども油で揚げた「とうふ」です。いろいろな調理法で、毎日のように美味しくいただいている食べ物であるとうふの作り方を、街のおとうふやさんを舞台に描いた絵本を紹介します。

商店街にあるおとうふやさんで、お母さんとお買い物をしていたみっちゃん。大豆がいっぱい入った桶を見つけます。中をのぞくと、大豆がいっぱい! おとうふやさんのおじさんに、明日、とうふを作るために水につけているんだよと教えてもらいます。水につかっている大豆はとても固くて、みっちゃんはびっくり。「こんな かたい まめが やわらかい おとうふになるの?」確かに不思議です。


翌日、朝早くから、おとうふやさんでとうふ作りを見学させてもらうことになりました。前日から水でもどした大豆(しっかりふくらんで、やわらかくなっています)をすりつぶし、煮て、漉して出来た豆乳ににがりを混ぜて、型に入れ、水気を抜く、というたくさんの工程を経て、ようやくとうふが完成します。
朝早くから始まるおとうふさんの一日を通じて、大豆がどうやって日本の伝統食「とうふ」へと変身するのかを丁寧に描いた作品です。
 

おからは、とうふを作る過程で大豆を漉した後の残りであること、木綿豆腐と絹ごし豆腐は作り方が違うこと、あぶらあげやがんもどきの出来るまでなど、大人でも意外と知らないとうふに関する豆知識も! そして、とうふが出来上がったあと、毎日道具をきれいに掃除するおじさんの姿も、とってもかっこいいのです。

普段何気なく食べている「とうふ」が、長い歴史を経ておいしく食べられるようにしてきた先人たちの思いと、その思いを受け継ぎ、日々丹精込めて作っている多くの作り手たちの思いに支えられていることを感じることができるのではないでしょうか。子どもたちにもぜひ知ってほしいと思います。

撮影協力:巣鴨・佐藤豆腐店

担当A・絹ごし豆腐が好きですが、佐藤豆腐店の寄せ豆腐もとってもおいしかったです。

2024.10.02

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