日々の絵本と読みもの

さわって楽しい! 見て楽しい! 点字つきさわる絵本

『てんじつき さわるえほん ぐりとぐら』
『てんじつき さわるえほん ぞうくんのさんぽ』

子どもたちが大好きな『ぐりとぐら』『ぞうくんのさんぽ』に、目の不自由な人も、目の見える人も一緒に楽しめる「てんじつき さわるえほん」があることをご存じでしょうか。



「てんじつき さわるえほん」とは、絵本の絵とお話に、触図(透明な樹脂インクで盛り上げて印刷した絵)と点字がついた絵本です。もちろん通常版の絵本の絵や文も印刷されています。印刷された絵本の文字そのものも、くっきりと大きくして、配置していることが特徴です。

点字が目で読む文字とはまったく形が違うように、触図もカラーの絵と形がかなりことなっています。たとえば、『てんじつき さわるえほん ぐりとぐら』では、「ぐりとぐら」が背中を向けている場面は、さわって分かりにくいので「ぐりとぐら」を横向きにして、顔をさわってわかるようにしています。また「ぐりとぐら」の触図をさわると「ストライプとドット」の感触です。どっちが「ぐり」でどっちが「ぐら」でしょう? (表紙をよくご覧ください!)また、大きなたまごはつるつる、カステラはふわふわに感じられるように工夫されています。

『てんじつき さわるえほん ぞうくんのさんぽ』の触図ですと、ぞうくんは大きなツルツルの面、かばくんは細かで密なドット、かめくんは大きなドットなど、それぞれのキャラクターが触図の違いによって表現されています。それぞれの場面に登場する池の水の触図にもぜひご注目ください。

ザラザラ、ボコボコ、ツルツル、ポツポツ……様々な触感で絵本の絵を楽しめますので、さわればさわるほど、新たな発見が出てくること間違いなしです。

目の不自由な子どもたち、子どもに絵本を読んであげたいと思っている目の不自由なお母さんやお父さんなど大人たちはもちろんのこと、見える大人や子どもたちにも、見えない人たちの感じ方を体験して、バリアフリーの社会を考えるきっかけにしてもらえたらと思っています。

担当・H 点字つき絵本はほかにも多くの出版社から刊行されています。「点字つき絵本の出版と普及を考える会」のホームページからご覧いただけます。

2020.10.30

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