大好きなおばあちゃんの家に初めて一人で向かう『ウィリーのぼうけん』
『ウィリーのぼうけん』
子どもたちにとっては、日常のちょっとした出来事にも、ワクワクとドキドキの楽しいことがいっぱい! 小さなおでかけもまるで冒険にでかけるかのように、心がときめくものではないでしょうか。今日は、小さな町に住む小さな男の子ウィリーと、そばであたたかく見守る大人たちのほのぼのとした日常を描いた全3話の童話集、『ウィリーのぼうけん』をご紹介します。
ひとりで遊んでいると時々さみしくなるウィリーは、一緒に遊べる動物がほしいと思います。そこで田舎町に住むおばあちゃんに電話でお願いをすると、おばあちゃんに「あしたの昼に外を見てごらん」と言われます。翌日窓の外を見ていると、家の前に着いたのは大きなトラック! ウィリーは「ぞうをおくってきたんだ」と、どきどきします。そのトラックで運ばれてきた動物とは……? (第1話「ウィリーのどうぶつ」)
ある日ウィリーのもとにおばあちゃんから電話がかかってきて「ひとりでおばあちゃんの家にあそびにおいで」と誘われます。歩いて行ける距離ですが一人ででかけたことはありません。ウィリーは行ってみることにしました。野原を横切り、小川を渡り、小高い丘を越えて、馬小屋、犬小屋、ミツバチの巣箱を抜け……。さて、おばあちゃんの家にたどり着くことはできたのでしょうか……。(第3話「ウィリーのおでかけ」)
おばあちゃんの家までは大人ならばすぐに行ける道のりかもしれませんが、子どもにとっては初めての経験ばかり。歩みを進めるウィリーの瞳は、好奇心に満ちていてすがすがしく、読者はこの小さな冒険を応援したい気持ちになることでしょう。
本作は『おやすみなさいのほん』『ちいさなもみのき』(以上、福音館書店 刊)など、シンプルで美しいお話の作者として知られるマーガレット・ワイズ・ブラウンさんの作品で、1940年に幼い子どもたちのための童話集"Willie's Adventure" としてアメリカで刊行されました。今回、すべてのページに広野多珂子さんのやさしいタッチの挿絵を加えて、刊行いたします。
自分で考え、行動するウィリーと、そばであたたかく見守る家族の姿が魅力的な作品です。子どもたちが絵本よりちょっと長めのお話を楽しめそうになったら、ぜひ読んであげてくださいね。
「日々の絵本」月曜担当・H
入社15年目。舞台鑑賞が好きです。子連れで楽しめる作品を中心に月2~3本鑑賞しています。
2019.01.21