日々の絵本と読みもの

どれから読む? おくやまゆか“へんてこ話3部作”

突然ですが、あなたはどのタイプですか?

A どちらかといえばモテるほうかも → ①『三まいのはがき』へ
B かっこいい車が好き → ②『もじゃもじゃドライブ!』へ
C 困っている人をほっとけないたちだ → ③『あいたくてたまらない』へ

①『三まいのはがき』

モテるあなたにおススメなのは、こちら!

ある日、ゆうたのもとに、三まいのはがきが届きます。それは、「ナメヨ」、「ガマコ」、「ニョロミ」からの招待状でした。心あたりのないゆうたですが、「おもしろそう」と、順番に三人の家を訪ねます。しかし最後のニョロミに別れを告げると、「ここでくらそう」と、はなしてくれません。そこへナメヨがかけつけて、さらにガマコもやってきて、ゆうたをとりあい大さわぎ…!



▶気になったら「ためしよみ」を!

②『もじゃもじゃドライブ!』

かっこいい車が好きなあなたにおススメなのが、こちら!

こうたのお父さんが買ってきた中古の自動車。安かったのに、とってもかっこいい! お父さんとお母さんとこうたの3人で、さっそくドライブにいくと、なんと、車が勝手に走りだします。しかも、車体には、茶色い太い毛がもじゃもじゃ生えて、ぐんぐんのびているではありませんか! とうとう車は、山のなかで急停止。クラクションをならします。それを聞いて、走りでてきたのは……?



▶気になったら「ためしよみ」を!

③『あいたくてたまらない ももいろの貝とやどかりぼうやのお話』

困っている人がいたらほっとけない、という優しいあなたにおススメなのがこちら。

そうたは、泳ぐのが怖くて、まだ海に入れません。ある日、おじいちゃんが、海で見つけた貝がらをくれました。とても大きな、もも色のまき貝です。ところが真夜中、貝の中から音がします。「ざざーん、しくしく、あいたいよー」おどろいていると、貝はとつぜん話しだし、これは、故郷の海のやどかりぼうやが、自分にあいたくて泣いている声なのだと、涙ながらに告げるのでした。そうたは、貝を海にかえそうと勇気をふるいます――。



▶気になったら「ためしよみ」を!

おくやまゆかさんが描く“へんてこ話3部作”

漫画家としても活躍されているおくやまゆかさんが描く“へんてこ話3部作”。主人公の各3人、ゆうた・こうた・そうたは、いずれもごくふつうの男の子たちなのですが、どのお話でも、ちょっと“へんてこな”体験をします。その“ふつう”と“へんてこ”のバランスが実に絶妙で、絵本から童話へ移っていく、ひとりで読書をはじめたばかりの子どもたちに、「本っておもしろい!」と思ってもらえるきっかけとなる幼年童話の3作です。本選びのヒントにタイプ別におススメしてみましたが、実はどれから読んでもおもしろいですよ。

担当F・どの主人公の気持ちもちょっとずつわかるなあと思いました。ちなみに、3部作の裏テーマは「愛」と「執着」だという話も……。

2024.05.15

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