書店の児童書コーナーを探してもなく、一般書のなかに混じって、力強く主張していたこの本。中脇さんの文章ははじめて読んだのですが、一つ一つの言葉がじわ~っと心に響いてきました。タイトルにある、「祈祷師の娘」二人の娘がそれぞれに祈祷師の娘であることを受け入れるまでの葛藤が、ヒロインの春永が自分の存在を受け入れるまでの葛藤が、それは見事に描かれていますくすっと笑ってしまったり、また心臓をわしづかみにされるような痛みを覚えたり・・・「生きていく」ということの強さ、すばらしさを派手ではないのですが、春永の目を通して歌い上げています。卯月さんの挿画がまたすばらしく、文章により一層の彩を添えていて、読み終えた後に、もう一度、絵だけ見直してしまいました。私は、気に入った本は、読了後なんどもお気に入りのシーンを読み返すくせがあるのですが、この本もラストをなんども読み返してしまいました。これはお子さんだけに読ませるのはもったいないです。もっともっとたくさんの大人によんでもらわなきゃと思う一冊です。あ!くれぐれもラストは通勤通学の電車の中で読まないようにしてください・・・なぜって?次の日に私・・・目がはれてしまいました。だって・・・滝のように涙が出てくるのですもの。
基本情報
- カテゴリ
- 読みもの
- ページ数
- 244ページ
- サイズ
- 20×14cm
- 初版年月日
- 2004年09月30日
- シリーズ
- 福音館創作童話
- ISBN
- 978-4-8340-2010-6
- テーマ
- 小学中学年からの読みもの
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