絵本の選びかたガイド
絵本Q&A
絵本についてよく聞かれる疑問・質問に
お答えします!
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赤ちゃんに絵本を読んであげたいと考えています。何ヵ月ぐらいから読んであげればいいの?
生後10ヵ月ぐらいから赤ちゃんは絵本を楽しめます。
ひとりひとりちがいはありますが、赤ちゃんは生後10ヵ月ぐらいになるとお母さんやお父さんの言葉を聞きながら、絵本の世界に入っていけるようになります。
子どもの心を豊かに育てるためには、肌のふれあいと同じようにお母さんやお父さんからの心のこもった語りかけが欠かせません。かつては、お母さんやお父さんは心をこめて「子守り歌」をうたったり、あやしことばで話しかけたりすることで、子どもとふれあってきました。ところが最近は、赤ちゃんにどのように話しかけたらいいかわからないといった声を聞きます。
そんなときにこそ、赤ちゃんを膝にだいて、絵本を広げてみてください。ページをめくりながら、ゆっくり語りかけるように読んであげてください。最後までお話が聞けなくても、好きなページだけしか見なくても大丈夫です。「赤ちゃんとのかけがえのない時間を楽しもう」そんな気持ちで読み聞かせを始めてみてください。
1冊の絵本を通じて、親子で笑ったり喜んだり、体をよせあい、気持ちを通わせることで、親子のつながりは深まっていきます。また、子どもたちはお母さんやお父さんに絵本を読んでもらうことで、言葉の美しさや面白さを知り、なによりも「言葉を聞く喜び」を全身で感じとります。
とじる
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同じ絵本ばかりを読んでもらいたがります。他の絵本を読むようにうながしたほうがいいの?
ぜひ同じ絵本を繰り返し読んであげてください。
同じ絵本を繰り返し読んでもらいたがることは、とても自然なことです。子どもにとっての絵本は知識や情報を得るためだけのものではありません。子どもは1冊の絵本に興味をもち、その中に喜びを見出すと、何度でもその喜びや楽しさを確かめたいのです。
1冊の絵本を繰り返し読んでもらっていると、始めはわからなかったところがわかるようになり、気がつかなかったことに気づくこともあります。自分の力で発見することがどんどん増えていくのです。子どもにとっては、そんな変化の実感も絵本を読んでもらうことの大きな喜びです。
読み手であるお母さんお父さんは、飽きてしまうかもしれません。でも、「昨晩読んだときとは面白がるところがちがうな」「このページの絵にさっきよりも長く見入っているな」など、お子さんが発する言葉やちょっとした仕草を見守るつもりで、同じ絵本に何度でもつきあってあげてください。1冊の絵本の読み聞かせで、子どもの中の見えない何かが変化し成長していっていると思うと、読み手であるお母さんやお父さんもわくわくしてきませんか?
とじる
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カラフルな色づかいの絵本を選ぶほうがいいの?
「絵」が物語を語る絵本を選ぶことが大切です。
色彩が豊かで、明るい絵の絵本を子どもが喜ぶという見方もあります。でも、始めは子どもの目をひくかもしれませんが、それだけの絵本では子どもは満足しません。なぜなら、子どもにとっての絵本の楽しさは、絵がカラフルでかわいい、文章が少ないといったこととは関係がないからです。
たとえば『いたずらきかんしゃ ちゅうちゅう』や『もりのなか』の絵は、黒1色ですが、子どもたちに圧倒的な人気があります。『どろんこハリー』や『てぶくろ』も、とりたてて鮮やかな色彩で描かれてはいませんが、子どもたちは大好きです。それは物語の構成と、絵がじつにうまくとけあって、「絵」が物語を語ってくるからです。
「絵」が物語を語るというのは、これらの作品のページをめくっていただくとおわかりになると思います。文を読まなくても、絵を見ていくだけで、物語の流れをしっかり感じとることができます。このことは、子どもが絵本の世界に、無理なく入り込んでいけるかどうかの大切なポイントになります。
絵本を選ぶときは、見た目の鮮やかさに惑わされないでください。数ページ、できれば全ページをめくってみて、絵を見ていくだけでストーリーが読みとれるか、「絵」が物語を語っているかを、ぜひ確かめてみてください。
とじる
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早く字を教えて、絵本を自分ひとりで読めるようにしたほうがいいの?
絵本は大人が子どもに読んであげる「本」です。
小さな子どもにとって、自分ひとりで絵本を読むのと、お母さんやお父さんに読んでもらうのとでは、どちらがお話の内容を理解できて楽しいでしょうか? もちろん、お母さんやお父さんに読んでもらうほうが楽しいに決まっています。私たちは、絵本は大人が子どもに読んであげる「本」だという考え方をもって、絵本を子どもたちに届けています。
小さな子どもの読書でいちばん大切なことは、「絵本(本)は楽しいものだ」ということを徹底的に感じることです。もし「絵本(本)は難しくて嫌なものだ」なんて思ってしまったら、子どもは読書から遠ざかってしまいます。まだすらすらとは文が読みとれない小さな子どもに、無理に字を教えて絵本をひとりで読ませることは、子どもを絵本(本)嫌いにさせる一番の方法です。ですから、「字を教える」などということはいったんどこかにおいて、ひたすら一緒に楽しい時間をすごしながら、読み聞かせてあげることに徹してください。
もし、そうした中で、子どもが自分から文字を追って文を読もうとしたときは、励ましの言葉をかけてあげて、その子のペースで読んでいくことを見守ってあげてください。「最後までちゃんと読みなさい」なんていうプレッシャーはぜったいに禁物です。読めたところまで、読みたいところまででいいのです。そうした繰り返しが、読書に対する自信をつけることにもつながっていきます。
とじる
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どうしたら子どもは本好きになりますか?
第一歩は、お母さんやお父さんと一緒に絵本(本)の時間を楽しむことです。
子どもは本来、欲ばりで、自分にとって面白いことなら、大人から強制されなくてもやります。楽しいと感じることなら、大人が駄目といっても、隠れてでもやります。ですから、「絵本(本)はとても面白くて楽しいもの」だということを、小さいころから体験していることが大切です。
その第一歩は、お母さんやお父さんがお子さんに絵本を読んであげることから始まります。絵本を読んでもらう間、子どもたちは、ふだん忙しいお母さんやお父さんを独り占めできます。それが小さな子どもたちにとって楽しくないわけがありません。その上、読んでもらう絵本が自分のお気に入りの1冊であれば、なおのことです。
近頃は、ご家庭で「あいうえお」を教え、小学校にあがる前から絵本をひとりで読めるようにする傾向がありますが、絵本(本)嫌いにするのに、これほど有効な方法はありません。まずは絵本を通じての楽しい時間を、お母さんやお父さんが一緒に作ってあげてください。この楽しさや喜びの記憶が、子どもの成長とともに育ち、それが読書への興味へとつながっていきます。
とじる
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忙しくて、なかなか絵本(本)を読んであげられないのですが……。
毎日10分、まずはそこから始めてみましょう。
共働きのご家庭も増え、毎日が慌ただしいお母さんやお父さんにとってはもっともな悩みです。でも、よく考えてみると、1冊の絵本は5分か10分もあれば読み終えられるものがほとんどです。あまり構えずに、「絵本読んで!」とお子さんにせがまれたときに、ちょっと10分、お子さんとの時間を作る。それなら、なんだかできそうな気がしてきませんか?
絵本を読んでもらうことは、子どもにとって楽しい時間であると同時に、親と子の気持ちが自然とよりそうことができる時間でもあります。その体験は、子どもだけでなく親にとっても楽しく、親としての気持ちが満足させられる時間だと思います。子どもの成長はあっという間です。「絵本読んで!」とせがまれる時期も、残念ながらそう長く続くものではありません。「めんどくさいな」、そんな風に思っていた10分は、子どもが大きくなって振り返ると、かけがえのない、宝物のような時間です。そしてその時間は、子どもだけでなくお母さんやお父さんにとっても、親子の絆の記憶としていつまでも残ります。
とじる
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