絵本の記憶、子どもの気持ち

「子ども時代の思い出の絵本についてレポートすること」。課題を告げられた学生たちは、「えーっ、絵本なんて覚えてない! 」と一斉に悲鳴を上げました。ところが――。〝その〟絵本にめぐりあったとたん、眠っていた記憶は泉のようにあふれ出したのです。母親の声やそのときの情景まで一緒に。大人はなかなか知ることのできない子どもの心の内を、甦った絵本の記憶からたどる貴重な記録。あなたにも、きっと、そんな絵本が。

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    子どもにかかわるすべての人に
¥1,100(税込)
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基本情報

カテゴリ
育児・絵本論
ページ数
114ページ
サイズ
18×13cm
初版年月日
2014年01月20日
ISBN
978-4-8340-8045-2
テーマ
子育て応援/母の友の本

みんなの感想(1件)

子ども時代の読書体験とはどのようなものなのかつねづね興味を持っていた。子どもの読書(文学)のはじまりは「声の体験」から始まるが、絵本を読んでもらう事は、その体験の中核をなしているのだと感じた。読書体験(文学体験)は、「一体化」から「感情移入」へと進むが、この著作は、子どもたちが、どんなふうに主人公や登場人物(事物)と「一体化」するのかを実際の記録から垣間見せてくれている。しかし、著者が「共感」と「一体化」を一緒に扱って混同しているのが、気になるところではある。すでに過ぎ去ってしまった子ども時代を、絵本の記憶を通じて回復できた人たちは、とても幸福だということがわかる。「読んでもらうこと」は、愛を感じることであったとしみじみ思う。けれども、絵本を通して愛を感じていた学生でさえ、知らず知らずに、絵本は「教訓を伝えるもの」「何かの知識を教えるもの」ろ思い込んでしまうのだ。ここに、自分の絵本の記憶をたどる事の大きな意義もある。幼い頃の読書体験に関して、本質的な内容がわかりやすく書かれている。また、誰にでも手に取りやすく、読みやすいうえに、さまざまに思索を促してくれる貴重な著作だ。装丁も酒井駒子さんの挿絵も魅力的だ。しかし、ペーパーバックにして、価格を800円ぐらいに抑えることはできなかったのだろうか。そこが残念である。

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