“お話”がつなげる心と心 「母の友」特選童話集『こどもに聞かせる一日一話2』
「母の友」特選童話集『こどもに聞かせる一日一話2』
2022年、創立70周年の記念出版で刊行された『こどもに聞かせる一日一話』。手軽に子どもとお話を楽しめると好評をいただきました。その待望の2巻目が登場! 1巻目はきれいな黄色の表紙が印象的でしたが、2巻目は鮮やかな赤色の表紙です。どんなお話が入っているのか、目次をご覧ください。
今回も短くておもしろいお話が30話入っています。楽しい展開に笑ってしまうお話から美味しそうな食べ物が出てくるお話、いろいろな国の昔話まで、くり返し読みたくなるものばかりです。
絵本『ぐりとぐら』誕生のきっかけとなった童話「たまご」、「ぶたぶたくん」や「おばけかぞく」の絵本になっていないお話も収録されています。1巻目と同じく、おやすみ前のひとときにもご活用いただけるよう、「眠り」や「あくび」を誘うお話も収録しています。
もともと「こどもに聞かせる一日一話」は、福音館書店の雑誌「母の友」の創刊号(1953年9月号)にあった企画です。「母の友」の創刊編集長、松居直(1926~2022)は自分自身の体験も踏まえ「幼い子と親が心をかよいあわせ、歓びをともにする有力な手がかりが、子どもに語る物語という言葉の世界にあるのではないか」と考え、この企画を生み出しました。
21世紀の今も「一日一話」企画は年に一度、「母の友」誌上で実施しており、忙しい日々のなかでも気軽に読める、と毎年好評をいただいています。そのなかでも、近年の「一日一話」を中心に、選りすぐりのお話を集めたものが、「母の友」特選童話集『こどもに聞かせる一日一話』になります。
第1巻には、『ぐりとぐらのピクニック』や『だるまちゃんとうらしまちゃん』『ぐるんぱのたんじょうび』など、過去に「母の友」だけに掲載された、絵本の人気者たちの未単行本化作品も収録しています。巻末には、加古里子さんによる「だるまちゃんとあそぼう」のコーナーも。ここだけでしか味わえない人気者たちのとっておきのお話に出会うことができます。ぜひ、1、2巻あわせて、お楽しみください。
眠りの前のひとときに、保育の遊びの合い間に……。日々のほんの少しのあいだ、子どもとお話を読んで笑い合ったり、ほっこりした気分になったり。心と心をかよい合わせる時間になったら、うれしいです。
担当M
第2巻で私のお気に入りのお話は、「ひやひや さんぽ」(植垣歩子 作・絵)と「海と光のおまつり」(青葉市子 文、杉本さなえ 絵)。どちらも耳から聴いて想像するとわくわくするお話です。
2024.06.14