日々の絵本と読みもの

ユーモアあふれる、おやすみなさいの絵本『だれかがきたよ』

『だれかがきたよ』

夜、男の子が絵本を見ていると、「ピンポーン」と玄関のチャイムが鳴りました。ドアを開けると、あひるさんが「いっしょに おふろに はいろう」と立っています。

あひるさんとお風呂に入っていると、また「ピンポーン」。今度は、ぱんださんが「いっしょに パジャマ きよう」と立っています。みんなで着替えていると、また「ピンポーン」。次は、「いっしょに はみがき しよう」と歯ブラシを持ったわにさんが立っていました。みんなで歯磨きしていると、また「ピンポーン」……。男の子の家にいろいろな動物たちが次から次へとやってきて、寝るまえの準備を一緒にやってくれます。

一日の終わり、眠りにつくまでには、お風呂、着がえ、歯みがきと、どこのご家庭にもある一定の生活リズムがあると思います。大人は寝る準備が終わったらさっさとお布団へ……となりますが、これが子どもとなるとなかなかスムーズにはいかないものです。でもそんなとき、もしも動物たちが家にやってきたら……。誘惑が多くてなかなかはかどらず、お父さんやお母さんからも「はやくしなさい!」とせかされる寝る前の準備も、とびきり愉快なできごとになるに違いありません。

テンポのよい言葉が魅力の得田之久さんと、表情豊かで子どもの心をしっかり捉えた絵を描かれる垂石眞子さんがタッグを組んでうまれた、ユーモアあふれる「おやすみなさいの絵本」。得田さんは、ご自身のお孫さんが泊まりにきたときの楽しかった時間をヒントにお話を考えてくれました。
最後の場面、気持ちよさそうにみんなで眠る姿がほのぼのと幸せな気持ちになりますよ。眠りの前の定番絵本に加えてみてはいかがでしょうか。

担当M
動物たちがお泊まり用に持ってきたバッグやパジャマなど、それぞれの持ち物にも個性があって楽しいです。

2024.11.22

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