すいかが、どんどんごろりん どんごろりん 『万次郎さんとすいか』
『万次郎さんとすいか』
夏、万次郎さんの畑では、大きくてまんまるに育った立派なすいかができました。「ええ すいかが できた。こりゃあ、きっと うまいぞ」 みんなにごちそうしようと、すいかを「うんこらせ よいこらせ うーんこらせっ よーいこらせっ」と持ち上げようとしましたが、びくともしません。困ってしまった万次郎さん、ため息をつくと……
なんと、すいかがぽーんとはねあがり、突然動き出したかと思うと、ごろごろとどこかへ転がりはじめました。「こらー、どこに いくんじゃ、まてー」と万次郎さんも走ってあとを追いかけます。すいかは、どんどんごろりん どんごろりんと、畑を通り抜け、野道を転がって、大きな川にどぼんと入りました。追いかけてきた万次郎さんも後から川に飛び込みましたが、
「し、しまった。わしは およげんのじゃった」大変、万次郎さんは、あっぷあっぷと溺れそう! そこへすいかがスイーと寄ってきたので、万次郎さんは思わずすいかにしがみつきます。
万次郎さんがすいかと一緒にどんぶらどんぶら川を流れていると、お百姓さん、魚釣りをしているおじさん、川で遊んでいた子どもたちがどんどん一緒に流れていって……。さて、すいかと万次郎さんはどうなるのでしょう?
この作品は、万次郎さんの作った10個のおにぎりが、外へ転がっていき、お天道様に晴れ姿を披露する『万次郎さんとおにぎり』の姉妹作です。前作に引き続き、本田いづみさんによる底抜けに明るい物語や、掛け声の楽しさ、北村人さんが描く万次郎さんや食べものたちの表情など、魅力いっぱいの作品です。
夏には『万次郎さんとすいか』、秋には『万次郎さんとおにぎり』と季節ごとに万次郎さんのお話を楽しむのもおすすめです。
担当A・我が家のキャラ弁は万次郎さんとおにぎりのおにぎりです。
2024.06.07