学校に行きたくないと思ったら… 『きょうはおやすみします がっこうのてんこちゃん』
『きょうはおやすみします がっこうのてんこちゃん』
「今日はなんとなく学校に行きたくないな…」。一度もそんなふうに思ったことがない、という子はどれくらいいるでしょうか。自分の子ども時代を思い出すと、わりと毎日元気に学校に行っていたと思いますが、それでも、そういう日が一度もなかったかと言われると、はたして…と思います。
『きょうはおやすみします がっこうのてんこちゃん』は、テンのてんこちゃんを主人公に、学校で感じる不安や戸惑い、そしてそれを少しずつ乗り越えていく姿を優しく描いた、今を生きる子どもたちに寄りそう「がっこうのてんこちゃん」シリーズ第2弾です。
前作『がっこうのてんこちゃん はじめてばかりでどうしよう!の巻』は、はじめての学校が始まり、自己紹介に、遠足にと、慣れないことばかりで、さて「どうしよう!」というお話でしたが、今作は、学校にも慣れて、さまざまな感情が出る時期のお話。特に、「学校に行きたくない」という気持ちと向き合うてんこちゃんと家族の姿を丁寧に描きます。
ある日、てんこちゃんは熱で、学校を休みました。でも、実は、熱があるとわかる前から「今日はなんとなく学校に行きたくない」と思っていたのです。
それからしばらく経ったある朝、また「行きたくない」という気持ちになってしまいます。
てんこちゃんは勇気を出して、お父さんとお母さんにそのことを伝えるのですが、ふたりは思いがけない反応をします。そして、個性豊かなクラスメイトたちは…? 「学校に行きたくない」という気持ちとどう向き合うか、そのヒントが見つかるかもしれません。
ほかに、クラスメイト10ぴきが驚くほど自由に絵を描いた「みんなの絵」や、火鉢で好きな食べ物を焼きながらちょっぴり深い話をする「さびしい気もちって?」など全5話を収録しています。どのお話も、不安がちで「どうしよう…」とドキドキするてんこちゃんにそっと寄りそう物語で、最後には心が晴れ晴れとする展開が待っています。
全編、漫画のようなコマ割りのユーモラスなイラストと文章が一体化して読みやすく、自分で読むファーストブックにもぴったりです。前作と2作あわせて、ぜひお楽しみください。
担当F・今日はなんとなく会社に行きたくないな、という日もある…そんな大人の方にもぜひ読んでもらいたいです。
2024.02.09