暑い夏の日にぴったり! 表情豊かな『トマトさん』
『トマトさん』
夏まっ盛り、人間が暑いときは、動物も植物も、ひょっとしたら、こんな野菜も、みんな暑いと思っているんでしょうか。
ある暑~い夏の昼下がり、真っ赤に熟れたトマトさんが、地面に、どったと落ちてしまいます。ミニトマトたちは、小川へころころぽっちゃんと軽やかに飛びこんでいきますが、トマトさんは体が重くて転がっていけません。「トマトさん、あついねえ」「トマトさんも およいだら」と声をかけられても、最初は「ふふん、けっこう。ぷかぷか およぐのなんか、みっともないでしょ」と言っていたトマトさんですが、本当は小川に入りたいのです。太陽にジリジリ照らされているうちに、トマトさんはどんどんあつくなり、とうとう悲しくて、(甘い)涙をぽろりと落とします。その悲しげなトマトさんの姿を見て、虫たちが集まってきました。そして、みんなでトマトさんを転がそうと、力いっぱい踏ん張ります。そのおかげで、ついにトマトさんはごろん ごろんと転がって、冷たい小川へ入ることができました!
「ああ、つめたい! なんて きもちいいんだろ」とトマトさん。なんともうれしそうな顔です。
表紙もインパクト大! なのですが、ページをめくるごとに見開きいっぱいに描かれたトマトさんが、イジイジしたり、悲しんだり、喜んだり…とっても表情豊かで魅力的な絵本です。暑い夏の日に読むのにぴったりです。
担当A この本を読むと、息子たちが遊んでいるビニールプールに入りたくなります。(ママだって見てるだけじゃなくて、水浴びしたいんだよ~)
2021.08.20