イワシが生きていくための戦略とは……?
しらす、釜揚げしらす、ちりめんじゃこも、田作り(ごまめ)も煮干し(いりこ)も全部イワシが原材料だって知っていましたか??
普段何気なく口にすることが多い身近な魚、イワシですが、海の中でどのように暮らし、わたしたちの食卓にやってくるのか? 意識することはあまりないのではないでしょうか。
海の向こうからやってきた大きな黒い影……! イワシの大群です。そのイワシの群れを狙って、まずはコアジサシ、次はブリ、さらにクジラがイワシたちを丸のみにしてしまいます。そして数が減ってしまったイワシの群れを、さらに人間の巻き網が一網打尽にしてしまいます。かぞえきれないほどたくさんいたイワシの群れは、ずいぶん小さくなってしまいました。しかし、小さくなった群れは合体し、やがてそれぞれが何万個もの卵を産むことで、イワシはまた大きな群れへと戻ります。イワシは“群れで生きる”ことで、厳しい自然を生き抜いてきたのです。さまざまな生物に食べられながらも、イワシが種として生き延びられるのは、この圧倒的な数のおかげなのです。
生物には、群れで行動するものと、単独で行動するものがいます。“群れで生きる”ことにもメリット・デメリットがあり、どちらの生き方が有利とは一概に言えません。イワシが選んだ“群れ”というひとつの生存戦略を知ることで、生物が生き抜くためにさまざまな技をもっていることを実感するのではないでしょうか。
このような、生き物が生きていくための仕組みを知ることで、しらすやちりめんじゃこをたくさんごはんに載せて食べるときに、海の中のイワシに「いただきます」と心から言えるようになるかもしれませんね。
担当・A チーム新加入の入社12年目。ちりめんじゃこ派!
2020.02.14