日々の絵本と読みもの

わらうってなに? わらわないとどうなる? 『わらう』

『わらう』

皆さん、毎日笑っていますか? 笑うと、人とコミュニケーションが取りやすくなったり、自分の気持ちが少し軽くなるような気がするのは、気のせいでしょうか。
そんな「わらう」という行為は一体どんなものなのか、もし、人と人が関わり合う日々の暮らしの中で、わらいが消えてしまったらいったいどうなってしまうのでしょう。 子どもたちに身近な「わらう」ことを少し考えるきっかけになるかもしれません。

いつもにらめっこでお兄ちゃんに負けてしまうけんちゃん。悔しくて夜寝る前に、おまじないをします。「あしたは ぜったい わらいませんように。」そしてにらめっこでお兄ちゃんには負けなくなったのですが、それから周りのみんながけんちゃんのことをとても不思議がるようになりました。大好きなハムエッグが朝食に出ても、ともだちからプレゼントをもらっても、絵本がとてもおもしろくても、けんちゃんの様子があまりうれしくなさそうなのです。けんちゃんの気持ちはこれまでと変わりがないはずなのに、元気がなさそうなけんちゃんのことを見て、みんながとても心配します。

そしてけんちゃんはあることに気づきました。「あ! ぼくの かお…。わらわない おまじないが ずっと きいてたんだ! ぼくの かおは かなしそうで、つまらなそうで、おこっているみたい。」

お友達との挨拶、お礼を言うとき、楽しいことを共有するとき、ちょっとした失敗を笑うとき……など、子どもたちの生活の中でよくある状況を通して、わらうことの大切さを優しくあたたかく描いた絵本です。



読み聞かせをしていると、聞いている子どもたちの顔が、けんちゃんにつられて笑顔になったり真顔になったり……表情豊かに読むことができます。笑顔の大切さがじんわりと伝わる絵本です。

担当A・「つられ笑い」が好きです。怒っていても思わず笑ってしまって怒りがどこかに飛んでいくといいな。

2024.02.05

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