けん玉あそびで愉快なともだちでーきた! 『けんだましょうぶ』
もしもしかめよ・世界一周・宇宙遊泳 読むとけん玉がやりたくなる絵童話!
『けんだましょうぶ』
けん玉の楽しさがいっぱいつまった絵童話ができました。作者は長崎県在住のにしひらあかねさんです。
長崎県は、江戸時代、出島経由でけん玉が外国から日本に伝わってきたといわれており、けん玉が盛んなお土地柄。作者は、リアリティある描写をするために、実際に、けん玉をしては描き、描いてはけん玉をし、この本を描かれたそうです。
物語は、「だれか、けん玉するひといないかな」と、けいくんという男の子が、けん玉相手を探しにでかけるところから始まります。
けいくんが野原や林や森で出会ったのは、きつねにタヌキに魔女に小天狗。
みんなちょっと不思議なけん玉を持っていますが、けいくんはふつうのけん玉で負けじと挑みます。
定番の「大皿」「小皿」「中皿」「とめけん」に始まり、連続技の「もしかめ」と、勝負には勝ちますが、
相手のけん玉がスイカになったり、歌ったり、思いもよらない変わりように、けいくんはびっくり!
けれども最後、天狗のこどもとの勝負では、「宇宙遊泳」という超大技を通して、ふたりの心が通い合っていきます……。
作中はけん玉をする手元に目がいくよう構図や色で工夫され、シンプルな線で生き生きと描かれています。
また、「かぱ」「かぽ」「ぱち」「かち、ここん、ぱっ」「こん、とっ、かちり」と、けん玉の音の響きも心地よく、まるでけん玉をしているような気持ちになる本です。
声に出して読んであげても、自分で読んでも楽しめますので、初めての童話としてお薦めです。
読んだあとはおかしなけん玉にひとしきり笑ったあと、きっとけん玉遊びに挑戦したくなることでしょう。
はじまりと終わりには、楽しい絵でそれぞれの技の紹介もあります。
人気絵本「おばけかぞく」シリーズの作家ならではのユーモアとナンセンスがたっぷりの絵童話です。
みなさんも、この童話を読んで、けん玉名人になってください!
担当S・我が家でも久しぶりにけん玉ブーム。成功するまでやめられません~!
2021.05.14