最愛の父と別れて、ひとりロンドンの寄宿学園生となったセーラ。豊富な財産に保証された優雅な生活は、インドで事業に失敗した父の急逝により一気に暗転。無一文の下働きとして、屋根裏部屋暮らしを強いられます。そのセーラがたぐり寄せた奇跡とは?彼女の運命の展開をもたらしたものは、いったい何だったのでしょう?100年読み継がれた名作古典が、味わい深くかつ精確この上ない訳文を得て、生き生きと鮮やかに甦ります。

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    小学中学年から
¥2,530(税込)
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目次を見る

1  セーラ
2  フランス語の授業
3  アーメンガード
4  ロッティー
5  ベッキー
6  ダイヤモンド鉱山
7  続・ダイヤモンド鉱山
8  屋根裏部屋
9  メルキセデク
10 インドの紳士
11 ラムダス
12 壁の向こう側
13 この社会の一人
14 メルキセデクが見たこと、聞いたこと
15 魔法の精
16 泊まりのお客
17 「この子がその子だ!」
18 「ほかのものにはならないようにしていたんです」
19 アン
解説―学校、インド、想像力 原田範行―
訳者あとがき

基本情報

カテゴリ
読みもの
ページ数
408ページ
サイズ
21×17cm
初版年月日
2011年09月15日
ISBN
978-4-8340-2675-7
テーマ
古典童話/小学中学年からの読みもの

みんなの感想(10件)

子どもの頃何度となく読んだ『小公女』を読み返したいと思っていたところ、偶然書店(押田謙文堂@大宮)で見つけて購入しました。名作は生きていくための力を再認識させてくれます。児童書(魅力的な本)を揃え、素敵な空間を用意してくださる書店の方々にも感謝しております。私の書棚を改めて見てみますと、福音館さん出版のものが多いです。子育ても一段落というところで、今は塾に通う子どもたちに絵本を読み聞かせたりなどしております。科学絵本の再販を望みます!「ピーナッツ なんきんまめ らっかせい」などです。良質な科学絵本が必要と感じます。

「小公女」を読みました。小学生の頃買ってもらった唯一のハード版の本でした。今でもあります。戦後の事情の悪い中です。高楼さんの訳です。ていねいに読みました。私たちはダイジェストで読むことで、ゆっくり児童文学で大きくなったような気がします。知っている、読んだことあるという感じで。高楼さんの本はほとんど(絵本以外)読んでいます。このシリーズ読もうと思います。今「モヒカン族の最後」を読んでいます。

『小公女』は、私にとって非常に思い入れのあるお話です。小学校4年生のとき、習字で賞をいただいたご褒美にと、父が本を買ってくれました。その時に出会ったのが『小公女』です。そして、人生ではじめて、本を読んで「素敵」だと感じました。しかし、当時買ってもらったのは、小さい子向けの易しい訳と、ポップな挿絵のものでした。11年が経ち、再び読み返すには、あまり気乗りがしないものです。そこで、父からの方も手元に残しつつ、もう少し原作に忠実なものを探していたところ、こちらに辿り着きました。高楼方子さんの美しい訳と、原書の挿絵で、一気に小公女の世界へと惹きこまれました。はじめてこのお話を読んだときの様々な感情が、次から次へと思いかえされ、懐かしく、楽しいひと時を過ごせました。今回、はじめて福音館様の古典童話シリーズを購入しましたが、手にとったときの、ずっしりとくる重みと厚みが、大好きなお話に、いっそう特別感を与えてくれました。丈夫なスリーブもついているので、より長く、大切にしていけます。この先も、きっと何度も読み返すことだろうと思います。このような、素敵な本を作っていただき、本当にありがとうございます。

私は少年時代、小公女を何度も読んだ。そして50年の歳月を経て、今、読み返してみても決して色褪せることなくダイヤモンドのように光っている。

ミンチン先生がひどかったです。セーラの気もちをすこしもかんがえていませんでした。セーラのそうぞう力がすごいと思いました。やねうらべやでも「いいことはあるんだな」と思いました。ベッキーとノックでおはなしできるのがすごいな、とおもいました。小公女大すき!!

『小公女』は私がテレビで知り、小学生の頃より絵本で読み、完訳の本がとても読みたくて何冊も購入して読みました。福音館の本は、大変くわしい内容にびっくりしました。お金持ちのセーラから、父の急死の為メイドになっても“想像”の心を持ち続ける気持ちに、大変感動致しました。“想像する力”の素晴らしさを教えて頂きました。“自分は今バスティーユにいる”。すごい想像力があったので、辛い仕事にも前向きでいられれたのでは?と、強く思いました。彼女の友人ベッキーも、心より“お嬢様”としたい、ロッティ、アーメンガードが、セーラの住む屋根裏に入ってくる勇気は“どんな形になっても心からの友人、親友とは”という親友の大切さが書かれた本だと心より思ってます。私も体が良くなく“今私は行きたかった国にいる”など、セーラの想像する力を思い出して生活をしております。ミンチン先生はセーラが嫌いで、食事ぬき、ひっぱたいたりと…教育者としては残念ながら向いていない“お金のみ”中心の考えの先生ですので、教育者とは決して言えない先生だと私は思いました。セーラも負けずにミンチン先生にはっきり言う場面は大変印象的でしたし、お金をひろってパンをアンヌにあげた姿には涙がでました。お父さんの友人もみつかり幸せになれた事、ベッキーと一緒にいられる事も、二人が幸せになって良かったと思いました。

私が小学生のとき図書室で、『小公女』に出会い何回も何回も読みました。2~30分で読める「あらすじ」のような本でしたので、いつか原書に会いたいと思っておりました。ネットのできない私は、娘にたのみました。そしたらスマホでどれがいい?え~!福音館から出ている!これだ!2日後、本が届きました。本書にはぐいぐい引きこまれました。知りたかったことが、たくさん!そして美しい文章。うっとりでした。読み終えてドカーン!!と心に来ました。何と大きく何とすてきな。そして更に解説の原田先生は、読むであろう子ども…に正しくきちんと向き合って、大人の扱いをして下さっていました。どこまでもどこまでも、知る楽しさを伝えて下さいました。そして訳者あとがき。高楼先生はご自身の気持ちを込め、すばらしかった。お2人に本当にありがとうございましたと感謝の気持ちでいっぱいでした。私の中で小公女がもっともっと大好きになりました。

ほとんど40年ぶりに『小公女』を手にとりました。講談社「世界の名作図書館」のシリーズで読んで以来です(他社本ですみません)。子どもの頃によく読みました。実は同巻抱きあわせのセドリックの『小公子』の印象のほうが強かったのですが、高楼方子様訳の本書の素晴らしかったこと!セーラは子どもらしくない、しかし魅力的な少女でした。「アン」の章で終わっていることに感銘を受けました。じっと見つめあう少女(幼女含む)の視線がいいです。なつかしくてあたたかい読書の時間を有難うございます。高楼氏の著書『老嬢物語』も興味深く拝読しました。児童書も今後読んでいきたいと思います。

小公女は小さい頃に少しだけしか読んだことがなかったので、読んでみると結構楽しいお話なんだなーと思いました。セーラが貧乏になってしまうところが可哀想でドキドキしました。この本のいいところは絵がとっても綺麗なことなので「挿し絵はないかなー」と探すのも楽しいです。今後もいろいろな本を出してください!楽しみにしています。

数年前、子どもの頃大好きだった小公女を改めて読もうとして困ったことがある。抄訳などしかなくて読みたいものがなかった。仕方なく岩波少年文庫の古いほうの訳で読んだが、金持ちが施しをする様子がいやらしく感じ、がっかりした。大人の目で読むとこんな話なのか、と思っていた。そこへ最近、福音館書店から高楼方子さんの訳が出たと知る。普段、翻訳家でない方の訳本は読まないが、福音館書店であることと、高楼さんの文章力に期待して読んでみた。高楼さんがこだわったという、表紙の絵の女の子の表情にも惹きつけられた。すばらしかった!少女の頃の興奮が蘇った。全訳でいっそう楽しめた。セーラの、それこそ富めるときも貧しい時も、境遇に左右されずに、いつでも最も気高い者でいよう、とする心意気は、読む者にも、そんな風に生きてみたい、と感じさせる力があります。そこがこの話の一番面白いところではないかしら。また、セーラの、じっと控えめにしていても溢れてしまう気品や、強さ、作品の雰囲気が見事に表現されていると思います。巻末の解説やあとがきも、かつての小公女ファンに少なからずつきまとう「?」をたくさん解き明かしてくれて大満足です。これを読み、翻訳家でない方の訳出もアリだと感じました。子どもの本に必要な、「子どもが文章をどう読むか」をしっかり認識している優れた児童文学作家として高楼さんは最適ですし、よい本を生み出そうとする意欲のある出版社とコラボしたこと、そして高楼さん自身の思い入れのある作品であったことがうまく作用したのだと思います。これからもこんな素敵な出版物、よろしくお願いします。私の五才の娘のために気長に作っている遺書…それは本のリストなのですが、たとえ母を失っても、これらの本に出会って行けば、まっすぐに、楽しく、自分の人生をしっかり生きていく力を与えてくれると思われる本のリストに、この小公女を加えました。必ず娘にプレゼントしたいです。

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