稲を育てて、お米を食べる。ごはんから、人々の営みが見えてくる『ごはんは おいしい』
稲を育てて、お米を食べる。ごはんから、人々の営みが見えてくる
『ごはんは おいしい』
秋も日に日に深まり、あたたかい家の中で過ごせるのがうれしい日も増えてきましたね。そんな季節には、家族や大切な人たちと一緒に食卓を囲めることが、より一層うれしく感じられるのではないでしょうか。本日ご紹介するのは、子どもたちも大好きな「ごはん」をテーマにした写真絵本、『ごはんは おいしい』です。
ごはんは おいしい
ごはんは あったかい
わたしは ごはんが だいすき
炊きたてのごはんを前にして、おばあちゃんが歌うように語るのは、「ごはん」がわたしたちの食卓にやってくるまでの物語です。小さな苗を植える春、青々と育った稲が風に揺れる夏、豊かに実った稲穂が黄金色に輝く秋、そして稲刈りを終えた田んぼが、また固い土に戻る冬。めぐる季節の中でくりかえされる人々の営みによって、あたたかくておいしいごはんが生まれます。
ゆったりとしたリズムのある文章を綴ったのは、詩人・ぱく きょんみさん。ごはんを前にした時の幸福感が伝わってくるシンプルでやさしい言葉で、ごはんの物語を紡ぎました。そして、その場の空気まで感じさせるような写真を撮影したのは、写真家・鈴木理策さん。作中で印象的に語られるのが、炊きたてのごはんの「まっしろい ゆげ」ですが、ぱくさんは鈴木さんの桜の花の写真を見て、「ごはんの湯気を撮影してほしい」と思っていたそうです。「ごはんは まっしろい ゆげまで おいしい」という言葉とあいまって、ごはんから立ちのぼる湯気のふんわり甘い香りがただよってくるようですね。
この作品が生まれたきっかけについて、もっとくわしく知りたい!という方はぜひ、ぱくさんが作品に寄せてくださったエッセイを、こちらからご覧ください。
また、福音館書店のホームページでは、『ごはんは おいしい』に加えて、食欲の秋にぴったりの「ごはん」の絵本をご紹介しています。こちらも併せてお楽しみくださいね。
2017.11.13