野菜たちの鬼退治『やさいのおにたいじ』
『やさいのおにたいじ』
京の都に、おそろしい鬼が現れました。鬼にさらわれた娘たちを救うため、知恵と勇気のある6人が立ち上がります。
絵巻物などで知られる鬼退治の伝説「酒呑童子」が原案のお話ですが、その姿をよく見ると、敵も味方も、なんとすべて野菜! 鬼退治に集まった6人は、固い皮を着たたけのこ、香りのいいまつたけ、まん丸の加茂なす、ふさふさ頭のみずな、真っ赤なからだの金時にんじん、木のように太い堀川ごぼうと京野菜たちです。
6人の野菜たちは、鬼の住む東の山を目指して出発します。山を越え、川を渡り、雨にも負けず、風にも負けず、力を合わせて進んでいきます。
山道の途中、壊れた橋を渡れずに困っている鹿ケ谷かぼちゃのおじいさんに出会います。「えらいこっちゃ どないしょ…」それを見た堀川ごぼうは、手足をのばして、橋のかわりになります。「さあ どうぞ この せなかを わたっとくれやす」「これはおおきに」。鬼退治に行くと聞いたおじいさんは、お礼として、6人に不思議なお酒をさずけます。「この さけは ええ おひとが のんだら ちからが わき、わるい おひとが のんだら ちからが のうなる ふしぎな さけや」
6人はお礼を言って、鬼の屋敷を再び目指します。鬼の屋敷に到着すると、やつがしらや毒きのこが門番をしています。鬼は、岩のように大きなからだをした芋です。
さあ、野菜たちはどうやって鬼を退治するのでしょう? 鹿ケ谷かぼちゃのおじいさんからもらったお酒の効き目はいかに? 6人の野菜たちの特徴を生かしながら活躍する様子は、ぜひ絵本を読んでみてくださいね。
京都のことばでかかれた絵本。こちらから朗読動画もご覧いただけます。
担当A・表情豊かな京野菜たちがたくさん登場! 読んでいると、ついつい加茂なすの田楽が食べたくなります。
2024.08.31