みんな大好きお弁当。さあ、めしあがれ!『おべんとう』
『おべんとう』
表紙に、きれいな緑のブロッコリーとふわふわの卵焼き、そして、鮮やかなオレンジ色の人参が描かれた『おべんとう』は、食べもの絵本のロングセラーとして大人気の絵本です。
「おべんとうばこ よういして さあて なにから いれようか?」という言葉からはじまる本作、お弁当づくりをそばで見ているようなわくわく感があります。
ページをめくると、ほかほかの白いご飯、次のページでは、ソースがとろっと絡まったミートボール。さらにページをめくると、ふんわり卵焼き、ぷりぷりのウィンナー……と、次々にお弁当の定番おかずが登場します。
お弁当箱においしそうなおかずが次々と詰められていく様子は臨場感たっぷりで、子どもたちの期待感がどんどん高まっていくこと間違いなしです。そして、色とりどりのおかずが詰まったお弁当ができあがったときの満足感! 思わず手が伸びてしまう、おいしそうなお弁当の完成です。
作者の小西英子さんは、『サンドイッチ サンドイッチ』『カレーライス』『のりまき』『まるくて おいしいよ』など、食べもの絵本の第一人者として、数々の絵本を描いてこられました。小西さんは、『おべんとう』刊行時の「作者のことば」で絵本に込めた思いをこのように書かれています。
「卵を溶いて手早く巻いていくと、あっという間においしそうな卵焼きができあがる。ウインナーに切り目を入れてフライパンで炒めて、にんじんの皮をむいて……、(略)ちょっと手を加えただけでおいしいおかずが次々とできあがっていくのは、まるで魔法のようです。そんな様子を夢中になって見つめるこどもの視線でこの絵本を描きたいと思いました」。
小西さんの願いがしっかり子どもたちに届いたのでしょう。当時、絵本を読んだお子さんから「この絵本に出てくるのと同じお弁当を作って!」とリクエストされて作りました、というお弁当の写真入りのおたよりがたくさん編集部に寄せられたそうです。
ご家庭によって、お弁当もさまざま。絵本を読んだあとで、うちのお弁当はこうだよね、なんて会話もたのしいですね。作る人も食べる人も、あたたかい気持ちになるお弁当。絵本をとおしてあじわっていただけたらうれしいです。
担当M
私も絵本の『おべんとう』作りに挑戦。当然ですが、絵本で読むのとは違って手間も時間もかかりました……。そのぶん、できあがったときの感激はひとしおでしたよ(笑)。
2024.03.08