日々の絵本と読みもの

働く車とそこで働く人を描く、新感覚のりもの絵本『くるまの なかには?』

『くるまの なかには?』

ポストを回って手紙を集める郵便車、いろいろな荷物を届ける宅配車、新しいおうちに家財道具を運ぶ引っ越しトラック、たくさんの人を遠くまで連れていく路線バス。どれも街中でよく目にする働く車たちです。
「ガルルル ゴーッ、たくはいしゃ。」


街中で見かけると、子どもたちが思わず「あ!」と気がつく、かっこいい働く車たち。「おうちの そばに とまった。 たくはいびんの おにいさん、くるまから はこを とりだした。」「くるまの なかには……?」

では、この働く車たちは、具体的にどんなものを、どのくらいのせて走っているのでしょうか? 意外と車の中を見る機会は少なく、興味が湧きます。のせているものをズラッと並べて見せてもらうと……

「おとどけものが いっぱい!」

郵便車に積まれていたお手紙は、誰に送られるものかな? 宅配車に載っていた包みは誰かへのプレゼントかな? 引っ越しトラックで運ばれる荷物は、こんな風に梱包されているんだ! 路線バスからぞろぞろと降りてくるたくさんのお客さんはどこへ行くのかな? などなど、描かれた絵を見ていると、さまざまな想像が膨らんでいきます。

作者は、これまで乗り物の絵本を数多く手がけてきた石橋真樹子さん。「子どもたちは乗り物が大好き。だからこそ、細部まできっちり描きたいんです。そのためには、綿密な取材が欠かせません!」と、日本郵便、ヤマト運輸、サカイ引越センター、江ノ電バスの各営業所を訪問し、それぞれの車体や荷物などをくまなく取材して絵本の制作に活かしてくださいました。車はもちろんのこと、働く人たちの生き生きとした姿や表情もこの絵本の見所の一つです。

絵本を読んでもらった後には、街中で「あの車の中には何がどれくらい入っているんだろう?」と思わずながめてしまうこと間違いなしの新感覚のりもの絵本です。

担当A・引っ越しトラックのページがお気に入りの5歳の次男。段ボール箱から出す前と後の荷物を何度も見比べています。

 

2023.10.13

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