ピクニックにでかけるまでのドタバタ『おでかけのまえに』
『おでかけのまえに』
お天気のいい休日は、ピクニックに行きたくなりますよね。子どもたちもピクニックは大好き。「明日は公園にピクニックに行こう」と言うと、「お弁当はこのおかずを入れて」「絶対ボールとシャボン玉持っていくー」ととっても楽しみにしています。そんな、うきうき、わくわくする、おでかけのまえの女の子の様子を描いた絵本を紹介します。
日曜日の朝、あやこは飛び起きます。カーテンをぱっと開けると、お日様が顔を出して、お天気も良さそう。ピクニック決行です!
台所ではお母さんがお弁当作りの真っ最中。テーブルの上には、おにぎり、卵焼き、煮物、りんご…と美味しそうなお弁当のおかずが並んでいます。「おにぎり、たべても いい?」と待ちきれないあやこですが、忙しそうなお母さんを見て、良いことを思いつきます。「おかあさん、みて! わたし おべんとうを つめてあげたの」「まあ!」お母さんはびっくり!
お父さんは身支度を整えながらバッグに荷造りをしている途中なので、バッグがあけっぱなしです。「そうだ、この ばっぐ、しめてあげようっと……」あやこはお手伝いをしようと思いますが「おとうさん ばっぐが ぱんくしちゃった」。お父さんは「おやおや」。
持っていくお菓子を自分のリュックに入れる前日の様子や(表紙)、てるてる坊主がぶら下がる部屋の様子が絵本のなかに描かれ、あやこがどれだけピクニックを楽しみにしているかが伝わってきます。そんなわくわくとした気持ちを抑えきれず、忙しそうなお父さん、お母さんの役に立とうと頑張りますが、うまくいかないあやこの姿は、子どもが一度は経験するような失敗の連続で、読んでもらう子どもたちはとても共感します。大人からみると、思わず「やめてー!」と言いたくなるような失敗の数々ですが、あやこの気持ちにおおらかに寄り添う両親の姿は、親としてぜひ見習いたいと思うところです。
子育てを振り返ると、実は何気ない一日にたくさん思い出がつまっていますよね。『おでかけのまえに』はそんなごく普通の家族の、おでかけまでのひとときを丁寧に描いた、心がほっこりする絵本です。
担当A・自分が子どもの頃大好きだったこの絵本を今子どもたちと楽しんでいます。母になると、こんなドキドキするとは…でもやっぱりあやこの表情にキュンとします♡
2023.05.02