子どものケガの応急手当てを楽しく紹介『かがくのともの きゅうきゅうばこ 新版』
『かがくのともの きゅうきゅうばこ 新版』
「やけどした!」「すりむいた!」「鼻血が出た!」子どもと生活していると、傷やケガはつきものです。ちょっとした傷でも血が出たりすると、つい親も子も動揺してしまいますよね。そんな時に役に立つ絵本が『かがくのともの きゅうきゅうばこ 新版』です。
「やけど」「すりきず」「とげ」「はなぢ」からはじまって、「しゃっくり」「ねこに ひっかかれた」「あしが しびれた」など様々な状況をどのように解決すればいいのか、親子で楽しみながら応急手当を学べます。
例えば「やけど」は、すぐ水道の水で10分くらい冷やします。ただ赤くなっているだけなら、洗って包帯でまいておくだけでOKで、次の日包帯を取って薄赤くなっているだけなら、もう治っているということだと教えてくれます。
「指をドアにはさんじゃった」ときは、はさんだ指を曲げたり伸ばしたりしてみましょう。少し痛くても指を曲げたり伸ばしたりできるなら大丈夫。もしも、痛くて指が曲げられなかったら、骨が折れているかもしれないから、指を固定して病院へ行こうと書かれています。
日々のケガはどのように対処すべきなのか、確認する順番が分かったり、過剰に心配しなくていいことなどが楽しく描かれていてとても安心します。
『きゅうきゅうばこ』は月刊誌「かがくのとも」1987年2月号として刊行されて以来、愛されつづけているロングセラー絵本でした。
著者の山田真さんは、小児科医としてご活躍されてきた方で、現在は八王子中央診療所の理事長です。長く愛されてきた『かがくのとも きゅうきゅうばこ』では、当時の治療法である、傷に対して「消毒をする」「ガーゼを使う」処置を紹介していましたが、最近の医療現場では、「消毒せず、水で洗い流す」「乾かさず、被覆材を貼る」という“うるおい療法”(傷口を湿らせた状態で自然治癒させる療法)がより好ましいとされています。そのため、月刊誌刊行から30年経った2017年、傷の手当の方法を現代医療に合わせてリニューアルし“新版”として刊行いたしました。
その最新の知見に基づいて改訂された文章に合わせ、やぎゅうげんいちろうさんの絵もリニューアル!「今の時代に合わせて、絵も変えたい」と熱望されたやぎゅうさんの思いが伝わってくるような、より元気でいきいきとした絵になりました。
巻末には備えておきたい救急箱セットの中身の紹介、大人向けの説明もあり、現代医療に基づく楽しい応急手当ての絵本です。救急箱の横に置いておくことをおすすめいたします!
担当A・この絵本を読むことで、子どもたちがけがをしたときのシミュレーションをしていました。
2022.09.09