日々の絵本と読みもの

子どもたちに人気「まゆ」シリーズ第1作『まゆとおに』

『まゆとおに』

「きたの おやまの てっぺんの さんぼんすぎのしたに、ちいさな いえがありました。そのいえには、のっぽのやまんばと やまんばの むすめの まゆが すんでいました」とリズムよくはじまる『まゆとおに』のお話。そう、物語の主人公は、やまんばの娘のまゆです。

まゆは、とっても力持ちで好奇心旺盛、そして素直で親切な女の子。そんなまゆが雑木林の奥で鬼に出会います。お腹がすいていた鬼は、まゆを鍋で煮て食べようと思い「寒いからお湯を沸かそう」と嘘をつきます。そうとは知らないまゆは、とても親切なので、「なにか おてつだいすることはない?」と聞いて、太い松の木をぬいて薪を作ったり、岩の壁を蹴っ飛ばしてかまどの石を積んだり……、はりきって鬼を手伝います。熱湯が沸くと、鬼が「あつい おふろに おはいり」と言いますが、まゆはやまんばのお母さんからの教えを守り「おさきに どうぞ」と鬼を鍋に放り込んでしまいます!

まゆを食べようとするけれどもなんとなく情けない鬼と、無邪気なまゆのやりとりがとっても楽しい絵本です。「オニのサラリーマン」シリーズと並ぶ、富安陽子さんの人気作である「まゆ」シリーズの第1作目です。降矢ななさんが描く魅力ある鬼の表情がとても魅力的です。


さてさて、鍋に放り込まれた鬼はどうなったと思いますか? 写真のおにぎりがヒントです。

「まゆ」シリーズは他に『まゆとりゅう』『まゆとうりんこ』『まゆとかっぱ』と4作あります。まゆの好きな作品を探してみるのもおすすめです。

担当A・子どもたちは、まゆの相棒、きつねの表情に夢中です。

2022.02.03

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