チリンチリン! キリンの車掌さんは鈴を持って大忙し。 『チリンでんしゃ』
チリンチリン! キリンの車掌さんは鈴を持って大忙し。
『チリンでんしゃ』
男の子が大好きなおばあちゃんと一緒に電車に乗って動物園にでかけます。お弁当に水筒、お菓子を持っていざ出発!!
電車は走り出します。カタッカター、カタッカター。
ところが、電車がトンネルに入ったとき、チリンチリンと鈴を鳴らして現れたのはキリンの車掌さん。
男の子がびっくりしたのも束の間。電車がトンネルを抜け、運転室を覗くと、そこにいたのは何とゾウの運転士さん! よく見ると、さっきまで目の前に座っていた乗客のみんなも、ヒツジやゴリラやブタさんに……。 途中の駅について、乗ってきたのは、カメの親子にウサギの兄弟。
ちょっとお行儀の悪いふたごのチンパンジーに、キリンの車掌さんがチリンチリンと鈴を鳴らして注意します。
「つりかわで あそばないでくださーい」
電車が揺れても、フラミンゴの家族は一本足で平気な顔。真似したパンダのこどもは転んでしりもち。
おひさまいっぱいの電車はいい気持ち。みんな居眠りをはじめました。ウトウトと、乗客のみんなはとなりの人(動物?)の肩に寄りかかります。男の子もちょっと眠くなって……。
「しゅうてーん、どうぶつえんまえでーす」車掌さんの声が車内に響きます。おばあちゃんにひざをトントンたたかれ男の子が目を覚ますと……?
実は、このお話は著者の大原悦子さんが、小さかった甥っ子さんに繰り返し語った物語で、甥っ子さんが大好きなお話だったそうです。
そのお話に、愛嬌たっぷりの動物たちを描いたのは村田エミコさん。絵本に登場するどの人も、変身前からどこか動物を思わせる風貌をしています。どの人がどの動物に変身したのか、想像しながら読み進めるのも楽しい1冊です。ぜひ、お手にとってご覧ください!
担当K・電車で座席にすわると「眠くなるスイッチ」が入ります。
2021.10.15