絵本から童話へのかけはし

大きな声の子ねずみヤカちゃんが大活躍! 『番ねずみのヤカちゃん』

福音館書店の子育て中の社員が、子どもたちと幼年童話を楽しむ様子をつづる「絵本から童話へのかけはし」連載、最終回は、『番ねずみのヤカちゃん』。声の大きな子に大うけ?! する様子をお届けします。

『番ねずみのヤカちゃん』

突然ですが、子どもって声が大きくないですか?! 我が家の息子たちは、本当に声が大きい! 毎日「もうちょっと小さな声で話して。それでも聞こえるから」と言ってしまいます。そんな大きな声の我が家の息子たちが、毎日読みたいと持ってくる幼年童話『番ねずみのヤカちゃん』をご紹介します。

ドドさんの家にすむ母さんねずみと4ひきの子ねずみたちは、人間に気づかれないよう静かに暮らしていました。ところが末の子ねずみヤカちゃんの声はとっても大きいのです。母さんねずみから自立するように言われた子ねずみたちは、“ねずみとり”と“ねこ”に注意するように教えられます。



「うん、わかったよ、おかあさん」と、一ばんめの子ねずみはいいます。
「うん、わかったよ、おかあさん」と、二ばんめの子ねずみはいいます。
「うん、わかったよ、おかあさん」と、三ばんめの子ねずみはいいます。
「うん、わかったよ、おかあさん」と、ヤカちゃんがいいます。

この、字が大きくなってヤカちゃんが大きな声で返事をする場面は子どもたちのお気に入りのページ。読み聞かせするときに、ヤカちゃんの大きな声を真似するととても喜びます。自分で本を読みだした小学校1年生の長男も、このページは自分でも小さな声と大きな声を使い分けて音読しています。



気をつけて生活していた子ねずみたちですが、 ついに、住人のドドさんがヤカちゃんの大きな声を聞きつけて、ねずみたちが住んでいることに気づいてしまいます。ねずみとりを仕掛けたり、猫を飼ったりしても捕まえられないヤカちゃんに手を焼くドドさんですが、ある夜、ドドさんの家の中に泥棒が忍び込むのです……! 最後まで読むとタイトル『番ねずみのヤカちゃん』の謎がとけますよ。

本は読んでもらうものだと思っていた長男ですが、この春小学校に入学し、少しだけ自分で読もうという意欲がでてきました。長いお話を読むのは難しく、絵本を中心に読んでいましたが、学校の図書館で本を借りてくるときは、少し背伸びをして「小さい本借りてきた!」と童話を手に帰ってきます。ただ、やはりいきなりすべて一人で読みきるのは難しいようでした。『番ねずみのヤカちゃん』は、親子で読んで親しんだこともあったので、そんな長男がひとりで読むこともできる大満足の本になりました。

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年少の次男も隣で聞いていてすっかりヤカちゃんのとりこ。「ねずみとりの本読んで~」と持ってきます。

2021.07.27

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