つばきレストランへいらっしゃい!
メニューは、甘いみつ、一つだけ
冷たい風が吹く寒い冬にも、つばきは元気に見事な花を咲かせます。
「さあ つばきレストラン かいてんです。 メニューは ひとつだけ、とっても あまい みつ。さいしょの おきゃくさん、 いらっしゃい!」
最初のお客さんはメジロたち、「チル チル チル」と嬉しそうな声でみつを飲んでいます。続いてヒヨドリがやって来ました。雪が降ってもレストランは休みません。お腹をすかしたお客さんが待っているからです。厳しい冬ならではの、つばきと小鳥のしあわせな関係をあたたかく描きます。
つばきは、鳥に花粉を媒介してもらう「鳥媒花(ちょうばいか)」です。少しでも多くの鳥たちに来てもらうために、つばきはおいしい蜜をたっぷり用意しているのです。鳥たちにとっても、つばきの蜜は食べ物が少ない冬の大切なごちそうですが、つばきにとっても鳥たちは大切な「おきゃくさん」なのです。
本文にも描かれていますが、鳥たちが夢中でみつを飲んでいる様子を見ると、子どもたちは「飲んでみたい!」となるようで、散歩の途中でつばきを見つけては指をそっと入れています。つばきは都会でも目にすることができて、花と鳥の関係を身近に感じることができる絵本です。
担当A・この本を読んでから息子たちが街中でつばきを発見できるようになり、散歩が楽しくなりました。
2021.01.15