日々の絵本と読みもの

うさこちゃんが、お父さんと一緒にはじめて海に行きました『うさこちゃんとうみ』

うさこちゃんが、お父さんと一緒にはじめて海に行きました

『うさこちゃんとうみ』

夏といえば海。この夏はじめて海で遊んだお子さんもいらっしゃることと思います。はじめて見る広い海は思い出に残ったのではないでしょうか。私も幼い頃連れて行ってもらった海で、浜辺に落ちていた貝殻や、われて角がとれたガラス(ビーチグラスというようです)を拾って宝物のように大切にしたことを覚えています。

ディック・ブルーナさんが描いたうさこちゃんの絵本シリーズの中に、うさこちゃんがはじめて海にあそびに行くお話があります。黄色地の表紙にブルーナレッドの水着がひときわかわいらしい表紙の『うさこちゃんとうみ』です。

「きょうは さきゅうや かいのある おおきな うみに いくんだよ。いきたいひと だあれ?」というお父さんに「あたし あたしが いくわ!」と大喜びのうさこちゃん。お父さんが引く手押し車に乗って、海辺に到着します。水着に着替えたうさこちゃんは大きな砂山を作ったり、貝がらを拾ったり、海に入って水遊びをしたり……。あっという間に帰る時間になり「もっと もっと いましょうよ!」と名残おしい様子です。でも、帰りの車に揺られると、眠くなってしまううさこちゃん……。海に遊びに行く1日の楽しみが描かれた絵本です。


うさこちゃんへの愛情が伝わってくる、お父さんの穏やかな語りかけも、この絵本の見どころです。車に乗せてあげる場面では「おまえも くたびれないで はやく うみに つけるからね」と語りかけます。また、一人で着替えができた場面では「おまえ ひとりで はけたのかい?」と、その成長におどろいて、声をかけます。ほほえましい二人のやりとりに、心があたたかくなる絵本です。
うさこちゃんが体験した楽しい海の思い出がつまっている『うさこちゃんとうみ』。ぜひゆったりと親子で楽しんでくださいね。
 


「日々の絵本」月曜担当・H
入社14年目。舞台鑑賞が好きです。子連れで楽しめる作品を中心に月2~3本鑑賞しています。

2018.08.20

  • Twitter
  • Facebook
  • Line

記事の中で紹介した本

関連記事