「食の自立」をサポートする『料理図鑑』
「生きる底力をやしなう図鑑」連載、最後は『料理図鑑』。さまざまな道具の使い方を覚えながら、「食」をよりおいしく安全に楽しむための知恵や情報が満載で、「料理がはじめて」「料理が苦手」という人にも心強い一冊です。
今こそ『料理図鑑』で「生きる底力」をつけよう
『料理図鑑』
休園や休校となり、保育園や学校の給食のありがたみを感じているご家庭も多いのではないでしょうか。我が家では、息子(小3)の小学校が休校となり、家にいる時間が増え、そのせいか、夕食時には度々サラダのドレッシングを作ってくれるようになりました。市販のドレッシングに薬味や調味料を混ぜてアレンジする程度ですが、食事の支度に疲れてきた頃でしたからうれしい出来事でした。
これはチャンス! と一緒に『料理図鑑』をながめていると、「やってみたい!」というので、卵と牛乳で「ミルクセーキ」を作ってもらいました。卵の黄身と白身を分けたり、砂糖を量ったり、容器を振り回したりと、遊びの延長で美味しいおやつができることに目を輝かせていました。
「食の自立」へのエール
『料理図鑑』の「はじめに」で、作者のおちとよこさんは読者に問いかけます。小学生ともなると自分で何でも食べられるようになり、りっぱに成長して作る力も備わっているのに、「おなか減った。ごはんまだ?」と、「食べることをいつまでも人まかせにしているのは、おかしいと思わない?」と。そして、「自分で食べたいものを、食べたいときに作って食べられることは、自分が自分らしく生きていくための第一歩。料理は、そのためにかかせない『生きる底力』だ!」といいます。
自分で食材を選び、自分で作って食べる、そういう「食の自立」に向かえるよう、子どもたちのエールをこめて、おちさんはこの本を書かれました。はじめて料理する子どもにとっては、野菜を切るのも、フライパンに油をしくのも楽しい作業です。そして、自分で作った料理は、どんな見た目でも確実に美味しい。大人たちは、手や口を出したい気持ちをぐっとこらえて、子どもたちの「自立」を信じて育んであげたいものです。
実用書であり図鑑でもある
『料理図鑑』は料理のハウツー本として使えるだけではありません。「Do! 図鑑シリーズ」ならではの見せ方で、料理に関わる全般をカバーしています。道具や食器の揃え方・使い方から、各種食材の選び方、下ごしらえ、調理法や行事食にいたるまでが、平野恵理子さんの3000点を越すイラストでわかりやすく図解されており、まさに「図鑑」。さらに、巻末には見やすい「さくいん」がついているので、食材や道具、調理法、料理名などを検索して調べることもできます。台所やリビングに1冊置いておくと便利な実用書でありながら、料理に関する本格的な図鑑でもありますから、ひろい読みしたり絵を眺めるだけでも楽しめます。ページを開くたびに違う箇所に目が止まり、「やってみよう!」と思うものが見つかることでしょう。
お気に入りのページを見つけよう
私が好きなページは、「料理名辞典」と「カタカナ料理・用語辞典」です。料理名辞典には、「赤だし」から「若竹〜」まで76種もの料理がずらりと並んでいます。「土手なべ」「袱紗みそ」「奉書巻き」……。未知の世界がひろがります。
「料理ははじめて」「料理は苦手」という方にはもちろん、「料理にはさほど興味がない」という方にも、きっと気になるページが見つかるはず。小学生から、一人暮らしを始めた大学生や新社会人、これまでチャンスがなかった大人にも、ぜひ手にとってほしい一冊です。
さて、我が家の息子ですが、調子が出てきたようなので朝食を注文してみました。最初は乗り気ではなかったのですが、『料理図鑑』をパラパラとみせているうちに、なにやら作ってくれそうな雰囲気に……。そして出来上がったのは、炒り卵とソーセージのサンドイッチ。(時間的にはブランチとなりましたが)お願いしてみるものですね。
宣伝課・Y
入社15年。息子(小3)の家庭学習と運動不足が悩みの種。最近二人で読んだ本は『狐物語』(古典童話シリーズ)。
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2020.05.05