久しぶりに、手ごたえがある絵本を手にしたという感じです。小学校の読書イベントに3年生の子どもたちにクラスごとこの本を読みました。生きることは「冒険でもある」というテーマで、メインに選んだ1冊です。子どもたちは真剣に、ある場面ではかたずを呑むように聞いていました。地味な本なのにかかわらず、本物を感じ取ったのでしょうか。まず文が情緒に流れず、鮭がお母さんになるというその道程を伝えることがきちんと簡潔に書かれています。科学的な事実を抑えながら、見たことのないお母さんのにおいと声を頼りに、生まれた川を上る鮭たちの姿。連綿と続いている鮭の生命の不思議さやたくましさ、その美しさ。そして鮭と自然界との関係を心静かに伝わる豊かな言葉で、派手ではない、確かな絵で伝えてくれます。「さるーん々」と鮭たちを導く声は、まるでおおきな力が命を導いてくれる声のように耳に残りました。鮭の死の描き方も他の命の誕生につながっていること、それもうれしいことでした。
基本情報
- カテゴリ
- 絵本
- ページ数
- 52ページ
- サイズ
- 25×31cm
- 初版年月日
- 2006年07月15日
- シリーズ
- 日本傑作絵本
- ISBN
- 978-4-8340-2214-8
- テーマ
- 【2年生・教育出版】 国語教科書採用R6
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