皆さんが書いておられるように、私もこの本に引き込まれました。一点、自分のなかで疑問があります。真夜中の蝉という詩で、せみの鳴き声を、じいつ、と書かれていますが、音読はどう読むのでしょうか。ネットの表現読みでは、っと解釈していましたが、じいつ、とそのまま読むほうが私は合うように思います。
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作品の中に登場する詩
1.「あの」藤富保男/「か」藤富保男 2.「うしろで何か」松井啓子/「じゃがいものそうだん」石原吉郎 3.「まつおかさんの家」辻征夫/「人生が1時間だとしたら」高階杞一 4.「きりん」まど・みちお/「やくぢやま節」 5.「痛点まで」松岡政則/「ユウレイノウタ」入沢康夫 6.「ねむり」山崎るり子/「猫」萩原朔太郎 7.「海をみにゆこう」長田弘/「ナチュラル・ミネラル・ウォーター」田中庸介 8.「真夜中の蟬」中野重治/「誰かが言ったに違いない」村上昭夫 9.「『句集 無伴奏』より」岡田幸生/「崖」石垣りん 10.「大漁」金子みすゞ/「風がやむとき」井上洋子
基本情報
- カテゴリ
- 読みもの
- ページ数
- 160ページ
- サイズ
- 19×14cm
- 初版年月日
- 2019年04月15日
- シリーズ
- 福音館創作童話
- ISBN
- 978-4-8340-8457-3
- テーマ
- 小学中学年からの読みもの/ほっと一息つきたいときに/【6年生・光村図書】 国語教科書採用R6/【6年生・教育出版】 国語教科書採用R6
みんなの感想(11件)
書店で少しだけ立ち読みさせていただいて、詩には全く明るくないのですが「読みたい!」と思い、そのまま書店で購入させていただきました。このような体験をするのが初めてだったので、はがきを出させていただきます。まるで自分自身が小学生になったように読ませていただきました。前述の通り私は普段全く詩に明るくなく、触れた経験も少ないのですが、紹介される詩について登場人物と一緒に考えるのが楽しかったです。また、この本を読み始めてから詩や短歌などについて興味が湧き、自分で調べることもありました。最後のページを読むとき次のページをめくりたくなく、しばらく文字を反芻するくらい良い読書体験をさせていただき、ありがとうございます。
選書サービスを利用したところ、送付されてきた一冊です。存在や評判の良さは前々から知っていましたが、まだ手に取ったことのない本でした。小さい頃からばくぜんとした感情(名前がついていない)で、でもとても良い気持ちになれるので、人に伝えたいけど伝えられない、という感情があって、その正体をつきとめるにはどうしたらいいか、他人に伝えるにはどうしたらいいか、と大人になってよく考えるようになりました。哲学なのかなと思ったこともありましたが、それって「詩」なんだな、とよく分かりました。ぼんやりわかっていたような感じもするけど、この本を読んで私が探していたのは詩なんだ、とよくわかりました。物語りとしてとても心動かされる話で、身内を若くして亡くし、その子らの成長を見守っている身として、よんでいてこたえられなかったです。親を亡くした子が幸せに育っている様子や、この成長を見たかっただろう親、見せてあげたかった家族や周囲の人たち。あたたかくて、かなしい、そんなお話でした。自分の子にもよんで欲しいけど、理解できるのはまだまだ先だろうな。
「いいなあ~」心がほっこり温まって、胸にしみて。苦しみや悲しみも感じられるのにユーモラスで。何より題名がインパクトあって楽しい。覚えるの大変だけど(笑)。大人になるにつれて、人間として大切なものを失っていくんだなあ…やっぱり。押しつけがましくなくて、答えは自分の中にしかないっていうことが感じられる本。出逢いに感謝です。“ありがとうございます”
たまたま本屋で目につき手にとったのですが、とても良かったです。「詩は難しいもの」だと思っていたので、分からなくても楽しんで良いと背中を押してもらえているようで、読んでいて嬉しくなりました。子どもの時に読めていたらもっと詩に触れていたかなと思いましたが、大人になった今だから感じる事もいろいろとあるのだろうとも思います。装丁も素敵でした! 素晴らしい本をありがとうございました。お気に入りの1冊になりました。
この本との出逢いは、私自身が心を病んでしまい、精神病院に入院することになり、友人(小学校で図書館司書をしていて、杉並区で家庭文庫も開いている方)に、病院に持っていくならの3冊を選んでほしいという中の1冊でした。一読してメッセージを書かせてもらっています。心に残るところがありました。P58“そう。だって、ことばは、ことばになる前は、ただのおとなんだ”~のところです。私は幼い頃から“ことば”の理解が人とのペースに合わないという気づきがありました。“おと”については、独自に音楽を通したり、音の色あいを感じること“ことば”がむずかしいからこそ“おと”への愛着と、そしてこの社会に広がる音の繁雑さに感じることが多くあってすごしてきました。詩とぼくときみのやりとりにあふれる“心”に静かな時間をすごすことが出来ました。
趣味で短歌を作っています。作るときはいつも、心の中に降ってくる形のないもやもやを手がかりにするのですが、これを言葉にしようとすると、全然うまくできない。無理矢理引き寄せようとすると、あっけなく崩れてしまったりします。あぁどこかにこのもやもやを掬い取る繊細な網はないものかと、いつも思います。そんな言葉にならないものと向き合うことは、けれど楽しいことでもあります。こどもの頃に図書室の片隅で読んでいた言葉たちの、わからないけど面白い、何故だか忘れることができない感じ。本書を読んでいて、そんなこどもの時の感覚と、いつももやもやを掴まえようとしている感覚が結びついて、楽しくなりました。言葉は楽しくて難しい。だからこそもっと読み続けたい、掬い続けたいと思いました。
わたしもまた「おとな」になる段階で気持ちをすっとばして「正しさ」とか「大人」とか、そういうものがどこかに必ずあるのだと思うようになっていたので、この本の「正直さ」というか、人それぞれにある順序を端折らずに文字で見せてくれる優しさによって、泣けた。本当にいい本だな。知り合いの小学校へは通っていない少年に持っていこうと思いながら、この本はあまりに“全部”書いてあるようで、ためらっています。いいのかなって。(ありがとう)「好きな」と言える程よんでないが、小川洋子がすき。今村夏子も、小学校時代の自分たちを書いてくれるような感じがあるので、着々と読んでいる。今は、書くことから話すこと、それから体のつかい方、そして生活の仕方へと興味が移っています。
仕事から帰り、食事をし、テレビを観て、お風呂に入り、今日という日が終わろうとしているとき、机の前の椅子に座り、詩集(長田弘さんの詩が、心をなぐさめてくれます)を開いています。詩を読むと、心はどうして広々とした地平を感じることができるのか、本書を読んでその秘密というか、謎の答えというかに触れることができたように思います。言葉の自由や、かけがえのない時間…。本書を読んでから改めて詩というものに触れ、詩人という存在に思いをはせると、詩は未来へのタイムカプセルであり、詩人はタイムカプセルの贈り主なのかもしれません。彼、彼女らがいなければ消えてしまった“瞬間”は一体どれだけあったのでしょう。そんなことをこれを記しながら考えました。それ自体、本書の教え、というより本書を読んだ後の心の変化がもたらしたものです。まだやわらかいあたまの子らがこの本を読んだら、どのように心は変化するのか興味深く思います。本書はどのような経緯でつくられたのでしょうか。いずれにしても名久井さんの装丁、高野さんの画とともに、愛らしい本をありがとうございました。
毎晩、床につく前のひとときにと寝室に持って入ったらこれがだめ。たのしくて、たのしくて、うれしくなって、興奮して…。すてきな本をほんとに、ほんとに、ありがとうございました。ことばの、そして詩の本質を(といっても実は私、わかっていないのですが)こんなにやさしく見事に書いてくださって、なんだか日々生きるのがいよいよもって、楽しくなってきました。心よりお礼申し上げます。今、まわりの友人、知人にすすめています。
書店の4月の売上ランキングの10位に入っているのをtwitterで見て、高野文子さんの作品が好きなので、手に取ってみようと書店に行きました。児童書のコーナーにありましたが、じゅうぶん大人の私にも、私にこそ、届く内容でした。大人にこそ、は大人の思いあがりですね。こどもの頃に出会っていたら、何を思っただろうと想像してみますが、まったくわかりません。未来もわからないけれど、過去の可能性も等しくわからないものだなぁ、今しかないのだなぁと、そのようなことを思いました。子どもの頃、たくさんの福音館の本を母に読んでもらっていました。自分で自分のために買ったのは、初めてかもしれません。ありがとうございます。
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