少年たちは夜を冒険した。 『つきよのアイスホッケー』
『つきよのアイスホッケー』
“凍った池でスケートを滑る”という、ドキドキ・ワクワクする、カナダのお話をご紹介します。
凍てつく寒さの冬。ものがたりは、池が凍るのを心待ちにする少年たちのシーンから始まります。
「ねえ ビーバーいけに アイスホッケーを やりにいこうよ!」
「まだ はやい。まんげつを またなきゃ」
そして、数日後ついにその時がやって来ます。学校の休み時間、声を掛け合います。
「きょうの よるだ」
「よし、きょうの よる けっこうだ!」
少年たちは夕方に出発し、ズボンを雪で濡らし、つま先がかじかみながらビーバー池に向かいます。
池について、凍った池に乗るひらひらした雪を払いのけると、まっさらのスケートリンクが現れます。
あたりは暗闇に包まれ、空には数えきれないほどの星。満月も登り始めました。
こんなに きれいな こおりで すべるのは はじめてだ。
なんて きもちが いいんだろう!
夢中で自然のリンクを滑走する少年たちがそこで出会ったのは……。
このお話は、作者のポール・ハーブリッジさんのお父さんが小さい頃に体験した話です。お話の世界のようなことが、カナダでは実際に起こっているのですね。
自然の池が凍った様子を知らなくても、ものがたりに登場する少年たちと一緒に「つきよのアイスホッケー」を楽しめること間違いなしです。
カナダの大自然の力強さと、そこで全力で生きるたくましい少年たちのようすを、どうぞお楽しみください。
担当K・凍った池でスケート、人生で1回はやってみたい。
2023.01.20