日々の絵本と読みもの

いちご畑には働き者のおばあさんが住んでいます『いちごばたけの ちいさなおばあさん』

『いちごばたけの ちいさなおばあさん』

いちご畑の土の中に住んでいる小さなおばあさんの仕事は、いちごに赤い色をつけること。(とっても素敵なお仕事ですね!)

ある年、春はまだずっと先だというのに、ぽかぽか暖かくなって、雪のかわりに雨が降り出しました。おばあさんは、汗をふきふき、土の中の階段を100段のぼって地面の上に出てみると、いちご畑は見渡す限り青々とした葉を広げています。驚いたおばあさんは、また100段の階段を駆け下り、いそいで準備をはじめました。


地中の奥深くから水を汲みあげて、その水にお日さまの光を混ぜます。土の中にある緑の石を掘り出して細かく砕いた粉を注ぎ込むと、ぱっと赤い色ができあがりました。
「できた!」おばあさんはバケツに赤い水を入れ、また階段を駆け上がりました。いちご畑には白いいちごがたくさん。 はけをにぎって、次々といちごを赤く染めていきます。
 


「あたしゃ いちごばたけの ばんにんさ あかい いちごは あたしが つくる あたしが はけもちゃ たちどころ はたけの いちごは あまくなる とろろっとんとん とろろっとん」

季節外れの忙しい仕事が終わると、おばあさんは土の中へ戻りました。次の日の朝、真っ赤に色づいたいちごを見るのを楽しみにしていたおばあさんの目の前は、なんとあたり一面真っ白な雪野原になっていたのです……! おばあさんが色をつけたいちごはどうなってしまうのでしょう? ぜひ絵本を読んでみてくださいね。

いちご畑を見ていると、土の中におばあさんが住んでいて、忙しそうに階段をあがったりおりたりしているのかなぁとふと感じてしまう、そんな楽しい空想がふくらむファンタジーのお話です。冬から春にかけて、季節が変わるときに楽しむのもおすすめです。

担当A・おばあさんのベッドカバーが素敵! こんなおばあさんになりたいです。
 

2024.01.15

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