日々の絵本と読みもの

動物だって顔がある! 『みんなのかお』

みんなのかお
みなさんは、動物の顔をじっと真近で見たことがありますか?
人間ひとりひとりの顔が違うように、実は動物も1匹1匹顔が違います。

ゴリラの顔をながめてみると、惚れ惚れするほどのイケメンゴリラもいれば、親分風ゴリラやひょうきんゴリラもいます。他の動物たちも同じです。目の大きさや、歯並び、鼻のかたち、顔の模様や輪郭などさまざまで、人間と同じように、みんな個性あふれる表情をしています。


この本は、北は北海道の旭山動物園から南は沖縄こどもの国まで、日本中の百近い動物園を巡って24種類の哺乳類の顔を1匹ずつ撮影していったものです。正面から動物を撮影するのは意外に大変で、昼間は寝てばかりのライオンやトラを撮影するために何日も費やしたり、水の中にいるカバが浮き上がってくるのをずっと待っていたり、撮影はハプニングと忍耐の連続だったとか……。けれども、お客さんが動物を見る同じ場所から撮り続けた写真は、読者のみなさんを自然に動物園へ連れていってくれることでしょう。
登場するのは、他に、ラクダ、レッサーパンダ、ゾウ、アザラシ、サイ、カワウソ、ホッキョクグマ、タヌキ、バク、ヤギ、オランウータン、カンガルー、ツキノワグマ、チンパンジー、キリン、オオカミ、キツネ、シマウマ、アライグマ、ニホンザル。きっと必ず、みなさんがお気に入りの1匹がみつかるはず。ぜひ、親子や友達同士で『みんなのかお』を見ながら、「いちばんかっこいいライオンはどーれだ」「いちばんかわいいレッサーパンダはどーれだ」と、比べっこしながら楽しんでみてください。

この作品が生まれたのは1990年代ですから、撮影当時の動物たちはもういないかもしれません。でも、新しく誕生した次の世代の子どもたちは、この本の動物たちにどこか似ているかも? ぜひ、この本を片手に、お近くの「みんなのかおが見られる動物園」(本文最後にリストがあります)を訪ねてみてください。

同じ作者の人気絵本に、『こんにちは どうぶつたち』がありますが、登場する動物たちは、この『みんなのかお』の”出身”です!

担当S 人間の顔も並べてみたいな!

2022.04.01

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