「ねむたい ねむたい」「ねむたいよー」くり返しのリズムがここちよい、おやすみなさいの絵本『ねむたい ねむたい』
忙しい一日の終り、おやすみ前のひとときを、親子で大らかな気持ちで過ごせれば幸せですよね。今日は、繰り返しのリズムがここちよい、おやすみなさいの絵本をご紹介します。
「びーびーないてる なすびのこ なすびのこは ねむたいよー」と泣いてしまっているなすびのこ。やがて、「ねむたいねむたい なすびのこ」「なすびのこは ねーたーよー」と、こってんと横になって寝てしまいました。つづいて、バナナのこも、かぼちゃのこも、こってんこってんと横になって寝てしまいました。
最後には、ユーモアにあふれた3粒のそらまめのこが登場します。このこたちは、なかなか寝てくれません。「ねーたーかーなー ねーたーかーなー」と問いかけると、やっと「ねーたーよー」と、寝てしまいまいます。すんなり寝ないそらまめくんの様子もかわいらしく、くすっと笑ってしまいます。「ねむたい ねむたい……」と、となえているうちに、なんだか、まぶたが重たくなってくるような絵本です。
この、ねむたくなってしまうような、心地よいリズミカルなことばは、作者の柳生弦一郎さんが、大分の子守歌「ねむれねむれねずみのこ」の“なくな なくな なすびのこ”という歌詞から、泣いているなすびのこのイメージをふくらませ、創作しました。シンプルで無駄のないことばに添えられた、はっきりとした色と、あたたかみのある線や形で描かれた野菜の絵。ディック・ブルーナさんの「うさこちゃん」シリーズを彷彿とさせます。
『ねむたい ねむたい』は赤ちゃん絵本ですが、もう少し上の年齢のお子さんには同じ柳生弦一郎さんの『ねられん ねられん かぼちゃのこ』もあります。こちらもあわせて、おやすみ前にぜひ読んでみてくださいね。
「日々の絵本」月曜担当・H
入社14年目。舞台鑑賞が好きです。子連れで楽しめる作品を中心に月2~3本鑑賞しています。
2018.10.29