澄みきった冬空の下、氷の道をどこまでも!『楽しいスケート遠足』
澄みきった冬空の下、氷の道をどこまでも!
『楽しいスケート遠足』
真冬のオランダ。運河や水路はみんな凍りついてしまいます。そんな“氷の道”をスケートで滑って、先生と16人の子どもたちが、一日がかりのスケート遠足に出かけます。澄みきった冬空の下、次々と変わる美しい風景をながめながらスケートを走らせ、遠くの町へ向かいます。
途中、氷の上に立っているテントのお店でココアを飲んだり、絵描きさんの絵をのぞきこんでみたり。仲間のひとりが氷の穴に落ちてしまい助けてもらった農家 では、みんなで「雪のパンケーキ」をごちそうになります。さらには、男の子4人が行方不明になる“事件”が……。ハプニングは次々に起こりますが、スケー トの遠足を楽しむ子どもたちの姿が生き生きと描かれ、明るくさわやかな物語です。
この『楽しいスケート遠足』は、今から80年以上まえの1934年に初版が刊行され、翌年、アメリカの権威ある児童文学賞であるニューベリー賞のオナー・ブックに輝きました。
歴史をひもとけば、この後オランダにはナチスが侵攻し、暗い時代がやってくるのですが、ここで描かれているのは、ひたすら素朴で明るい喜びにみちた世界です。挿絵画家としても活躍していた作者による、カラーとモノクロの楽しいイラストもたっぷり交えてお届けします。
今年は寒い日が多く、各地で川や湖が凍結しているようですね。日本では、オランダのように川でスケートをすることはむずかしいかもしれませんが、スピード と躍動感にあふれるオリンピックのスケート競技を堪能したあとは、この『楽しいスケート遠足』で、ほのぼのとしたスケートの世界を味わってみてください。
2018.02.13