エルマー
「エルマーのぼうけん」シリーズは、りゅうの子を助けに行った9才の男の子エルマーが、機転をきかせて危機をのりこえていく冒険物語です。1948年から51年にかけてアメリカで出版され、1963年に福音館書店はじめての翻訳童話として、日本語版が刊行されました。半世紀以上たった現在でも、多くの子どもたちに読み継がれているシリーズです。
エルマーについて
9歳の男の子エルマーは、親しくなったのらネコから、「どうぶつ島」で野蛮な動物たちにとらわれている、かわいそうなりゅうの子どもの話を聞きました。りゅうの子を助けにいくことにしたエルマーは、チューインガム、むしめがね、はぶらしなど、リュックに入れて持ってきた身近な道具を使いながら、機転を利かせて危機を切り抜けていきます。
幼い頃からお話を考えるのが好きだったルース・S・ガネットさんは、22歳のときに『エルマーのぼうけん』を書き始めました。秋からスキー場のロッジでアルバイトをしていた彼女は、雪が積もるまでの間、お話を描くことにしたのです。挿絵を手掛けたのは、彼女の父親と再婚し、義理の母となった挿絵画家のルース・C・ガネットさん。母娘の共同作業で『エルマーのぼうけん』が生まれたのです。
チューインガム、ももいろのぼうつきキャンデー2ダース、わゴム一箱、黒いゴム長ぐつ、磁石が一つ、歯ブラシとチューブ入り歯磨き、虫めがね6つ、さきのとがったよく切れるジャックナイフ一つ、くしとヘアブラシ、ちがった色のリボン7本、『クランベリいき』と書いた大きなからのふくろ、着替えを何枚か、船に乗っている間の食料(ピーナッツバターとゼリーをはさんだサンドイッチを25と、リンゴを6つ)。
登場人物
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エルマー
この物語の主人公。りゅうの子を助けに冒険に出る、勇敢で心優しい9才の男の子。
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りゅうの子
「どうぶつ島」で動物たちにとらわれていた、りゅうの子ども。金色の翼で空を飛ぶ。
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のらネコ
ある雨の日にエルマーが出会った、年をとったのらネコ。たくさん旅をしてきた賢い猫。
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カナリヤのフルート
以前エルマーが逃してやったカナリヤ。嵐の夜に不時着した「カナリア島」で再会した。
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りゅうの家族
お父さんとお母さん、6匹の女きょうだい、そして7匹の男きょうだいがいる。
とじる
エルマーを書いた人
「エルマーのぼうけん」シリーズについてもっと知るのにぴったりなのが、作者のルース・S・ガネットさんへのインタビューをまとめた『「エルマーのぼうけん」をかいた女性 ルース・S・ガネット』です。幼少期の思い出から執筆時の思いまで、「エルマーのぼうけん」シリーズをさらに楽しめるエピソードが満載の一冊です。