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文庫版
愛の一家
あるドイツの冬物語
文庫版
ペフリング一家は、陽気な音楽教師の父親と思慮深くやさしい母親、そして個性豊かな7人の子どもたちの大家族。子だくさんゆえお金の苦労は絶えず、その上いつも何かしら騒動が起きててんやわんや。けれど、困ったことが起きれば家族みんなで知恵を出し合い、助け合って解決していきます。暮らしぶりはつましくとも深い信頼で結ばれた家族の姿を描き、1907年にドイツで出版されて以来、世界中で読み継がれてきた家庭小説の傑作です。
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読んであげるなら
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自分で読むなら
小学高学年から
カテゴリ | : 読みもの |
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定価 | : 935円(税込) |
ページ数 | : 464ページ |
サイズ | : 17×13cm |
初版年月日 | : 2012年01月15日 |
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ISBN | : 978-4-8340-2703-7 |
シリーズ | : 福音館文庫 |
その他の仕様 +
みんなの感想(1件)
間もなく69歳になる私が小学生の時に大好きだった作品が完訳で出たことを知り、すぐに買い求めました。読んだのは3年生頃ですから、もう60年近くも前の話です。当時手に入った本はかなり短く書き直されたものでした。 父は北海道の僻地で小学校の校長、母はその学校で給食の仕事をしたり、家庭科の講師を勤めていました。私よりも8歳上うえの長女は大学への進学を希望し、その下に中学から一番下は幼児までいましたから、へプリング一家は我が家と重なりました。母がお金のことでくよくよしているのも、この一家と同じでした。私は4女で、いつも頭の中に物語を一杯に詰め込んでいて、妖精と話をしたり、蕗の下に住むというコロポックルに夢中になったりして、姉妹たちから奇異の目で見られていましたので、音楽に夢中な4男には大いに共感しました。ただ一つ残念でならなかったのは、どんな問題が起きてもヘプリング家ではトラブルもなくみんなの思いやりで解決されるのに、我が家はいつもいつも、ぐちゃぐちゃにこんがらかって、理想的に行かなかったこと。やっぱりお話は作り事なんだ、とがっかりした覚えがあります。 ところが、新しく出た完訳では、そんなきれい事ではなく、ごたごたの中で一人一人が個性を発揮し、成長していく姿が描かれているではありませんか。絵空事でなく人間的でしかも理想的。正直に言います。私は子どもの時、この完訳本でへプリング家に出会いたかった。そうしたら、もっと自分の家族を愛せたのに、と思ったことでした。いまこの本は、自宅で開いている文庫の本棚に並べてあります。すると、子どもではなく、私と同世代のボランティアさんたちが借りてくれているのです。みなさん、子どもの頃に読んだ記憶があるそうです。
チャラマさん
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