【訃報】弊社 相談役松居直の逝去について
2022年11月04日
弊社 相談役 松居直は、11月2日午後7時、東京都内の病院にて老衰のため永眠いたしました。ここに生前のご厚誼を感謝いたしますとともに、謹んでお知らせ申し上げます。
なお、葬儀は近親者にて執り行われましたことをご報告いたします。ご遺族のご意向により、お花料 供花等は謹んでご辞退申し上げます。
お別れの会については、現時点では未定となっております。
生年月日:1926年10月5日(享年96歳)
逝去日時:2022年11月2日 午後7時
死 因:老衰
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◆参考資料◆
松居直(まついただし)
1926年京都市に生まれる。1951年同志社大学法学部卒業。1952年の福音館書店創業に参画、編集部長、社長、会長、相談役を歴任。NPOブックスタート会長・理事なども務める。
1953年に子どもに関わるすべての人たちを応援する月刊誌「母の友」を創刊したのち、子どもたちの自由な発想をはぐくむために新しい月刊の絵本をつくりたいと考え、1956年に月刊物語絵本「こどものとも」を創刊。当時の児童書の常識に捉われず、絵雑誌に初めて一冊一作主義を導入。後に横判、横書きも採用するなど、当時では画期的な絵本制作を試みた。石井桃子、瀬田貞二、松岡享子などと交流を深めるとともに、加古里子、赤羽末吉、堀内誠一、長 新太、瀬川康男、安野光雅、中川李枝子など、多くの絵本作家を発掘。「こどものとも」からは、『おおきなかぶ』『ぐりとぐら』『だるまちゃんとてんぐちゃん』など、今なお愛されるロングセラー絵本が数多く生まれることとなった。自身も絵本の文や再話などを手がけ、主な作品に『ももたろう』『ぴかくんめをまわす』『だいくとおにろく』『桃源郷ものがたり』などがある。
また、ディック・ブルーナの「うさこちゃん」シリーズや、エウゲーニー・M・ラチョフの『てぶくろ』など、戦後の日本に海外の優れた絵本を数多く紹介した。
1965年絵本『ももたろう』でサンケイ児童出版文化賞、1993年出版界で初めてモービル児童文化賞 (現・ENEOS児童文化賞) を受賞。1996年日本児童文芸家協会より「児童文化功労者」の表彰を受ける。1997年 AVACOのキリスト教視聴覚教育賞を受賞。研究者としては、石井桃子、瀬田貞二、渡辺茂男らと児童文学の理論を研究、『子どもと文学』(福音館書店) で発表。国内外の講演活動で、保育関係者や保護者への啓発にも努める。
著書に『絵本とは何か』『絵本をみる眼』『絵本を読む』『絵本の森へ』(以上日本エディタースクール出版部)、『絵本・ことばのよろこび』『子どもの本・ことばといのち』『声の文化と子どもの本』(以上日本基督教団出版局)、『絵本のよろこび』(NHK出版)、『松居直のすすめる50の絵本―大人のための絵本入門』(教文館)、『絵本は心のへその緒』(日販アイ・ピー・エス)、『松居直自伝』『松居直と「こどものとも」: 創刊号から149号まで』、『翻訳絵本と海外児童文学との出会い』(「シリーズ・松居直の世界」以上ミネルヴァ書房)、共著に『にほんご』(福音館書店)、『絵本の力』(岩波書店)。絵本に『ぴかくんめをまわす』『だいくとおにろく』『桃源郷ものがたり』(以上福音館書店)などがある。
2022年9月、「母の友」に連載したものをまとめた自伝作品『私のことば体験』(福音館書店) が出版。