まく子

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ストーリー

小さな温泉街に住む小学五年生の「ぼく」は、子どもと大人の狭間にいる。ぼくは、猛スピードで「大人」になっていく女子たちがおそろしく、否応なしに変わっていく自分の身体に抗おうとしていた。そんなとき、コズエがやってきた。

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コズエはとても変だけれど、とてもきれいで、何かになろうとしていなくて、そのままできちんと足りている、そんな感じがした。そして、コズエは「まく」ことが大好きだった。小石、木の実、ホースから流れ出る水、なんだってまきちらした。そして彼女には、秘密があった。彼女の口からその秘密が語られるとき、私たちは思いもかけない大きな優しさに包まれる。信じること、与えること、受け入れること、変わっていくこと、そして死ぬこと……。この世界が、そしてそこで生きる人たちが、きっとずっと愛おしくなる。西加奈子、直木賞受賞後第一作。究極のボーイ・ミーツ・ガールにして、誰しもに訪れる「奇跡」の物語。

まく子

まく子 西加奈子 著 定価1,500円+税 まく子 西加奈子 著 定価1,500円+税

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西加奈子
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西加奈子プロフィールKANAKO NISHI

1977年テヘラン生まれ。2004年『あおい』でデビュー。2007年『通天閣』で第24回織田作之助賞、13年『ふくわらい』で第1回河合隼雄物語賞、15年『サラバ!』で第152回直木賞受賞。
オフィシャルウェブサイトはこちら

西加奈子プロフィール

1977年テヘラン生まれ。2004年『あおい』でデビュー。2007年『通天閣』で第24回織田作之助賞、13年『ふくわらい』で第1回河合隼雄物語賞、15年『サラバ!』で第152回直木賞受賞。
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全国の書店員さんから

全国の書店員さんから、
『まく子』を読んでの熱い感想が届きました。
その一部をご紹介します。

説明のつかない感情が
私の上に降ってきた

丸善・丸の内本店 兼森 理恵さん

子どもの頃、変わってゆくことが怖かった。夜、目を閉じるときに感じる、朝になったら自分が別のナニモノかになってしまうのではという不安。だけど、心のどこかで変わっていく自分に期待している矛盾感。「まく子」の世界にいる間、説明のつかない感情が、コズエがまくものと一緒に私の上に降ってきた。キラキラも、ドキドキも、ヒリヒリも、チクチクも。あの頃感じていた五感の全て。今だって変化は怖い。でも、「まく子」を読んで、自分を、他人を、この世の中に存在するいろいろを受け入れることは案外簡単なことじゃないかなって思えてしまった。そう、もともと「知ってる」ことなんだ。なにより、西さんがコズエを「まく子」を愛しているんだなあということが、ひしひしと伝わってくる作品でした。

命の輝きに気づくことができた

カルコス・扶桑店 結城 匡彦さん

生きている、みんな生きている。命の輝きに気づくことができました。

あの時の“すっぱい自分”に会えた

戸田書店・静岡本店 鍋倉 仁さん

誰にも云えないこと、聞けないことがあることを知ったあの時の“すっぱい自分”に、この本を読んでまた会えました。ありがとう。

変化するからこそ感じられる
幸福があると教えてくれる

ジュンク堂書店・あべのハルカス店 岩﨑 涼子さん

まく。何かを掴み、その後、手放すということ。空中に放つ瞬間の心細さ、微かな憂鬱、開放感、切なさ、そしてきらめき。手放したその時から知っている絶対の終わり。私たちは皆、絶え間なく変化していて、そのことが時々こわくなる。けれど、だからこそ感じることのできる幸福がある。この本がそう教えてくれる。

主人公と同年代の子どもに
是非読んでほしい

知遊堂・亀貝店 山田 宏孝さん

信じよう。物語終盤のこの言葉が、強く強く胸を打った。男子が大人になっていく過程。あれこれ思い悩むけれど、他人に打ち明けるなんてできないし、かといって自分自身、それが何なのか、何故悩んでいるのかがわかっていないモヤモヤ感。25年前の自分が文字になってそこにいた。自分をほじくり返されているような気恥ずかしい感覚。でも、ページをめくる指を止めるなんてとんでもない。一気に読んだ。慧たちと同年代の子どもに是非読んでほしい。それも、大人に押しつけられるのではなく、自分からさりげなく、何となく、手に取ることができたら、どんなに幸せなことだろうと思う。棚にどう並べたらいいのか? それを試されているようで怖くもあるけど、断然楽しみ。

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自分をまるっと肯定してもらえて
うれしい

ザ本屋さん・帯広喜久屋書店 礒野 あかねさん

大人が嫌いで、大人が信じられなくて、大人になんてなりたくなくてもがいていた○+年前の私に“この小説を読ませたい”と、思いながら読みました。しかし、あの頃があっての今の私。この本に感動と共感ができる自分でよかったと思うと、やっぱりあの頃はあの頃で、もがき戦え! と、思いなおしました!! あの頃も含め、自分をまるっと肯定してもらえてうれしい。西さん、ありがとう。「まく子」、本当に大切な1冊になりました。

久しぶりにまいてみようと思う

TSUTAYA・寝屋川駅前店 中村 真理子さん

私自身、「まく」ことに小学生のころに目覚めて、そして終わった。“今”を生きることが未来だって頭では分かっていても、本当の意味で理解していなかった。あのころの私にもう一度会えました。久しぶりに、まいてみようと思う。

かつて子どもだった私にも勇気をくれた

丸善・日本橋店 松橋 由紀子さん

「まく子」? 意味不明すぎるタイトル。しかし、「まく子」とはこの物語を読むあなた自身でもあるのです。そしてその深い深い意味は、かつて子どもだった私にもこんなにも勇気をくれた。たくさんの子どもたちに、この物語が届くといいな。

たくさんの心がこの作品に救われるはず

三省堂書店・明治大学和泉店 樋口 愛さん

ファミレスで一気に読みました。ドリンクバーの山の中で、私はホッとして泣いていました。心の中にいる幼かった頃の私も安心しているような気がしました。あの頃も現在も感じていた漠然とした不安を、西さんが形にし、肯定してくれたからだと思います。きっとたくさんの心がこの作品に救われるはずです。ひとりでも多くの人にコズエの放った粒が届きますように。そう願ってやみません。

子どもの頃の自分に読ませてあげたい

山下書店・渋谷南口店 香月 孝之さん

主人公と同じように、大人になんかなりたくなかった子どもの頃の自分に読ませてあげたかったなというのが、読後まず思ったことでした。「社会」や「人生」というものがとてつもなく大きく感じていた子どもの頃の記憶がまざまざとよみがえりました。小さな温泉街の話ですが、つまっている中身はとてつもなく大きく感じました。「信じる」こと、「与える」こと。大人になると、仕事=人生と思いがちですが、そうではないよ、人生はもっと深いよということを感じました。

メディア掲載

インタビュー

書籍紹介

  • ●アメトーーク!(2016年11月10日)
  • ●CREA(5月号)
  • ●日本経済新聞 書評(2016年4月7日)
  • ●読売新聞 書評(2016年3月25日)
  • ●毎日新聞 書評(2016年3月16日)
  • ●週刊ザテレビジョン
  • ●宮崎美子のすずらん本屋堂
  • ●InRed(2016年4月号)
  • ●Richesse(No.15)
  • ●ELLE Japon(2016年4月号)
  • ●Marisol(2016年4月号)
  • ●ホットペーパービューティー(2016年3月号)
  • ●GINZA(2016年3月号)
  • ●Precious(2016年4月号)
  • ●Soup(2016年3月号)
  • ●SKYMARK 機内広報誌(2016年3月号)
  • ●Oggi(2016年4月号)

大きな永遠に、変えないと。大きな永遠に、変えないと。

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