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まく子

小さな温泉街に住む小学五年生の「ぼく」は、子どもと大人の狭間にいる。ぼくは、猛スピードで「大人」になっていく女子たちがおそろしく、否応なしに変わっていく自分の身体に抗おうとしていた。そんなとき、コズエがやってきた。コズエはとても変で、とてもきれいで、なんだって「撒く」ことが大好きで、そして、彼女には秘密があった。信じること、与えること、受け入れること、そして変わっていくこと……。これは、誰しもに訪れる「奇跡」の物語。

  • 読んであげるなら

  • 自分で読むなら

    小学高学年から

カテゴリ : 読みもの
定価 : 1,650円(税込)
ページ数 : 256ページ
サイズ : 20×14cm
初版年月日 : 2016年02月25日
ISBN : 978-4-8340-8238-8
シリーズ 福音館の単行本

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みんなの感想(24件)

  • これからもおもしろい作品を作って頂きたいです。「まく子」何回でも読みたい本です。西さんの描く絵も大好きです。

  • 初めて西加奈子先生の著書を読んだ時、心を鷲掴みにされました。書店で読んでない西加奈子先生の著書を見ると、読まずには居られない体になってしまいました。まく子を読み始めた時は、何を伝えたいんだろう?と思っていましたが、慧が「大人」になった所から、どんどん体に入ってきました。経験したんだ、という感覚をどこかでしているのかもしれない、そんな気持ちになりました。ありがとうございました。応援しています。大好きです。

    匿名さん

  • 慧とコズエの描写がすごい。

    山茶花さん

  • 「宇宙って広い。ぼくはそう思った。いろんな星があって。いろんな生命体がいるのだ。」っていう一文があるけど、私達が住む地球もそうだと言っている気がしました。私も無視されても、めげすにあいさつしようと思いました。大事なことを教わった気がします。

    ひろぴーさん

  • 西先生が書いた「サラバ」も読みましたが、どちらも最終的には人の持つ可能性を信じる、魂を揺さぶるような結末でした。読後、感動を抑え切れずここへメッセージしています。手塚治虫先生の火の鳥を感じさせるところも、個人的に好きです。大人になっても何かを信じ続けること。その大切さが学べた1冊でした。

    永光秀明さん

  • 人は色んな事で成長する事が、この本で分かった。読んでいてとても思ったのは、女の子と男の子では成長が違うという事!でも気持ちは子どもの頃と同じという事!それをこの本では素直につづっていて、読んでいてとても心温まった!小さな温泉街だからうわさもすぐに広まってしまう、そんなもどかしさや身体の変化を上手く表現していて、すごく良かったです!

    猪子綾美さん

  • 男の子の内面、変化、成長がリアルに描かれていて、びっくりしました。何回も観たい映画になりそうです。

    木場吉行さん

  • 西加奈子さんの作品で好きな本は「さくら」「サラバ!」そして「まく子」です。他の作品も好きですが、この3作では、ジワ~ッと泣けました。本の上にポタッと涙が…。これからも飾りのない人間を書いて下さい。

    空と海さん

  • 子どもの頃は、男の子と女の子は恥ずかしがらずに裸になったり区別なんてないのに、年を取ると(大きくなっていくと)生理が始まったり、精通が始まって当惑します。私も小学校6年生の時に、同級生の女の子の変化にびっくりし、ショックを受けました。さとしと同じように戸惑いました。でもさとしはコズエと出会って、さとし自身も変わっていくという事に気がつき、成長して大人になっていくのは素晴らしい話と思いました。物語の筋にびっくりしましたが、コズエのような人は、大人になってからも必要と思います。西さんは、こういう風に子どもが大人に成長していく話がありましたが(例えば『円卓』とか)、これからもこういう話を続けていったら嬉しいと思います。西加奈子さん、有難うございました。

    ユースケさん

  • 慧は大人に近づいていることを誰にも気づかれることを恐れているけど、私もそうだった。いや、大人になった今でも恐怖に思っている。大人になりかけだった時に抱いた想いを大人になった今も大切に?抱え込んでしまっている。年をとりたくない、とかそういうこととは違う「大人になりたくない」という想い。これは多分一生手離せないで、付き合っていくことになる。それに気づかされてしまった一冊でした。「大人になりたくない」のに「大人」になってしまうし、「大人」になっても「大人」になりきれない私。大人にも子どもにもなれないで、どっちつかずのまま生きてゆきます。

    あちさん

  • 草彅剛さんが映画に出演されると知り、原作を読みました。西さんの作品は初めて読みましたが、西さんは人間の弱くダメな部分を包み隠さずあっけらかんと書かれていて、ちっとも嫌な気持ちにならない、むしろそんな部分があるからこそ魅力的に感じてしまう…きっと西さんは“人間”が好きなんですね!また、思春期まっただ中のサトシの気持ちの描写がとても好きです。私には既に成人した息子がいますが、彼が同じような葛藤を抱えていたであろう頃にこの本と出会いたかった…その時期夫は単身赴任中で、異性である私は息子の悩む気持ちに気付いてはいたけど、積極的に関わるのをためらっていました。彼が自らの言葉で悩みを私に打ち明けてくれた時、その苦しみの大きさに驚き、鈍感であった自分が腹立たしく悔やみました。子が思春期を過ごす時、親もまたひとつ成長を試されるのかもしれません。現実では「父親」でない草彅さんが、どのように「サトシの父ちゃん」を演じられるのか、とても楽しみです。

    ちああっぷさん

  • タイトルから、種をまいて植物を育てるイメージがありました。登場人物(主人公含め)一人一人が粒でつながり合って存在しているという言葉と、不思議さを子どもさん達にイメージさせる物語は、大変面白かったと思います。今後とも良い作品を期待しています。

    蚫谷定幸さん

  • 思春期の悩みが共感できました。

    加藤邦彦さん

  • 映画化が決定となり、草彅剛さんが“ダメ親父”役ということが発表になり、そこから興味を持ち読んでみました。思春期の不安、いらだち、自分が変わってしまうことの恐怖など、揺らぐ気持ちがストレートに伝わってきました。自分も子どもの頃に身体が変化していく過程で“自分は病気なんじゃないか?死んでしまうのか?”などと不安と恐怖を感じたことを思い出しました。一見ダメな登場人物たちが、主人公の心の成長とともに魅力的な人物としてうつる様がとても素敵で、読んでいて気持ち良かったです。映画もとても楽しみで、公開が待ち遠しいです。

    匿名さん

  • 映画「まく子」に草彅剛さんが出演するというニュースを見て、大ファンなので早速注文し、読み始めました。西加奈子さんの作品は初めて読みましたが、現実と空想(希望的観測や憧れも含めて)の世界やリアルな大人の表情を感じたり、とてもたくさんの感情があふれている作品でした。やはり父と息子がおにぎりを食べるシーンが印象的で、くり返し読みました。映画が本当に楽しみです。

  • 『まく子』映画化と知り、草彅剛さんが出演されるということで本屋さんに走り、さっそく読みました。ここのところ人の魂について考えることが多く、この本の中でもまた魂を思いました。そして肉体のある“今”という時の大切さを感じています。10代前半の、今はない、毎日毎日がドキドキだったり、自分でもわからない感情にふり回される自分だったり…を思い出して胸がキュンとなりました。とてもおもしろかったです。これを機に西加奈子先生の本をいろいろ読んでみようと思いました。人間っておもしろいですね。 

  • 最初「まく子」というタイトルからは予想出来なかった程の、素敵な作品でした。「まく」と落ちるから面白いんだ。落ちなかったら面白くない。永遠の命なんて面白くない。私達を作る粒が、また新しい私達に。永遠に同じ私ではいれない、二度とない私で毎日を生きていると考えさせられた。「怖い」や「嫌い」や「好き」世の中にある葛藤が色々な言葉や情景で表現されていて、この本を読み終える頃にはこんな自分で良いんだと前向きになれる、変化する毎日や自分自身や感情を大切にしたいと思える作品で、とても心温まりました。ありがとうございました。

  • 「円卓」から西加奈子さんの本にハマっています。西さんの本は、じんわり来る優しさとドキッとする言葉が好きです。
    ”生きる”ってしんどいけど楽しいよね。って言われている気がします。今後のご活躍楽しみにしています。

  • 西加奈子さんの「1」を読んで感動しました。内容も良かったですが字も小さすぎず読みやすくて1日で読んでしまう事もありました。今から「サラバ上」「サラバ下」を読みます。「まく子」は、小学生の主人公の成長していく過程でさまざまな経験をしていき色々な物をふりまく子の物語で「まく子」という意味がわかりました。西加奈子さんにはまってます。

    荒木 佳子さん

  • タイトルが気になって手に取りました。西加奈子さんの作品の中でも、1番好きと思いました。なんで私が考えていたことを西さんはこんなに的確に言葉にできるのか。私の頭の中身を私以上に説明してもらった気分です。
    感動しました。涙が出ました。今5才と3才の娘たちにも、大きくなったら読んでほしいです。私もやさしい人になりたいと思いました。こんな本を作ってくださってありがとうございます。応援しています。

  • まく子って最初は何かな?と思いましたが、「まく子」って意味なんですね。すごくスラスラ読めて、とても面白かったです。特に、最後の展開は必見でした!西先生の他の作品も絶対読みます。

    櫻井 翼さん

  • まく子を読んで、何かを信じようと思いました。私は友達を信じられないときが多々あります。ずっと友達だよと言われても心の中では本当?と疑い、心無いありがとうを言ってしまいます。ドノのように、相手の言葉通りそのまま受け止めたい、受け止められたら良いなと思いました。それは私にとって、とてもとても難しいことですが、どんなことでも信じていこうと思いました。

    お子さんの年齢:中学生

  • 勢いのあるとても面白い本だった。今ある一瞬はどこにもない貴重なものであるというメッセージが、とても深く自分の中に入ってくる本だった。無常観という昔から提示されていた考え方を新しく現代的にアレンジしていて、とても面白い本だった。光にあてて暗い場所に置くと光る、本のカバーも魅力的だった。


  • 私はたくさんの小説を読みましたが「まく子」は今までにない独特な表現力の文章、ずっと読んでも頭が痛くならない本です。あと、表紙のさる(?)の絵も好きです。コズエとさとしの関係もうまく描かれていておもしろいです。これでこの値段はお得だろーと思います。TVでは「まく子」をオアシズの光浦さんが買っていて、私も買いたいと思っていた矢先のことなのです。さて、今からしおりのはさまれた「まく子」の続きを見るとしましょう!!

    お子さんの年齢:中学生

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