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978-4-8340--*

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文庫版 『かはたれ』ためしよみページ

 
児童文学作家・朽木祥さんのデビュー作『かはたれ』は、河童の子と人間の少女とのユーモアと感動に満ちたファンタジー。この度、装いも新たに文庫版が登場しました。
 
― かはたれ(かわたれ)―
夜明けがたの薄明。おぼろげな光のなかで、かれはだれか見分け難いとき、の意。
「彼は誰」。かわたれどき。古くは、夕暮れどきもこう呼ばれた。
 
鎌倉の人里に程近い山の中に「散在ガ池」と呼ばれるいくつかの池や沼があり、そこには河童族の生き残りが人目をさけて暮らしていた。人間でいうと8歳になったばかりの河童「八寸」は、修行を積んで人の目から姿を隠す術を学ぶため、猫に姿を変えて人間の世界に送り込まれることになった。
 
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作品について



文庫版『かはたれ』
朽木 祥 作 / 山内ふじ江 画
 

生き残りの河童の子ども「八寸」は、ふとしたきっかけで麻という女の子と暮らしはじめる。母親を亡くしたばかりの麻は、猫の八寸に大いに慰められるが、ある日猫を洗ってやると、八寸は河童の姿に戻ってしまった……。朽木祥による美しいファンタジー作品。
 

著者プロフィール

作者 朽木 祥(くつき・しょう)
1957年、広島市に生まれる。被爆二世。上智大学大学院博士前期課程修了。本作『かはたれ』(福音館書店)で児童文芸新人賞、日本児童文学者協会新人賞ほか受賞。『風の靴』(講談社)で産経児童出版文化賞大賞、『彼岸花はきつねのかんざし』(学研プラス)で日本児童文芸家協会賞、『光のうつしえ』(講談社)で小学館児童出版文化賞ほか受賞、『あひるの手紙』(佼成出版社)で日本児童文学者協会賞など、受賞多数。その他の作品に本書の続編『たそかれ』(福音館書店)、『引き出しの中の家』(ポプラ社)、『八月の光 失われた声に耳をすませて』(小学館)など、作品はファンタジーからYAまで多岐にわたる。翻訳には『バレエシューズ』(福音館書店)がある。鎌倉市在住。

画家 山内ふじ江(やまうち・ふじえ)
1946年、栃木県に生まれる。東京芸術大学絵画科卒業。絵本に『クリスマスのちいさなおくりもの』『ねてるのだあれ』『貝の子プチキュー』(以上、福音館書店)、『それは もりのこもりうた』(童心社)、『鳥よめ』(ポプラ社)、さし絵に『黒ねこのおきゃくさま』『かたはれ』『たそかれ』『答えは子どもの中、お母さんの中に』(以上、福音館書店)などがある。神奈川県在住。

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