『さいごのゆうれい』試し読みページ
『どろぼうのどろぼん』『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集』など、独特の世界観と言葉が魅力の作品を生み出してきた、詩人の斉藤倫さん。新刊『さいごのゆうれい』は、小学5年生の少年・ハジメが、お盆航空に乗ってやってきた、ちいさなゆうれい ネムと過ごした、夏の4日間の物語です
作品について
さいごのゆうれい
斉藤倫 作 / 西村ツチカ 画
世界中が「かなしみ」や「こうかい」を忘れて、だれもが幸せだった〈大幸福じだい〉と呼ばれた時代があった。そんな時代の夏休み、小5だったぼくは、田舎のおばあちゃんちに預けられた。空港のあるその町で、いわゆる「お盆」の、その最初の日に、ぼくは、ひとりのちいさなゆうれいに出会った。その子はいう。自分が、ゆうれいのさいごのひとりかもしれないと。ゆうれいを救い、世界を取り戻すために、ゆうれいと過ごした4日間。
著者プロフィール
文/斉藤倫
1969年生まれ。詩人。2004年『手をふる 手をふる』(あざみ書房)でデビュー。長篇デビュー作『どろぼうのどろぼん』(福音館書店)で、第48回児童文学者協会新人賞、第64回小学館児童出版文化賞を受賞。おもな作品に『せなか町から、ずっと』『クリスマスがちかづくと』『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集』(以上福音館書店)、『レディオワン』(光村図書)、絵本『とうだい』(絵 小池アミイゴ/福音館書店)、『レミーさんのひきだし』(共作 うきまる・絵 くらはしれい/小学館)『まちがいまちにようこそ』(共作 うきまる・絵 及川賢治/小峰書店)などがある。
『さいごのゆうれい』刊行記念エッセイはこちら
画/西村ツチカ
1984年生まれ。漫画家。2010年、短篇集『なかよし団の冒険』(徳間書店)でデビュー。同作で、第15回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞受賞。おもな作品に『かわいそうな真弓さん』(徳間書店)、『北極百貨店のコンシェルジュさん』『西村ツチカ短編集 アイスバーン』『さよーならみなさん』(以上小学館)などがある。そのほか、装画、挿絵も『シンドローム』(作 佐藤哲也/福音館書店)『赤毛のゾラ上・下』(作 クルト・ヘルト・訳 酒寄進一/福音館文庫)など、多数手がけている。