挿画ギャラリー『クリスマスの小屋ーアイルランドの妖精のおはなし』
オーナはある晩、その家の子どもたちにわずかな食べ物をゆずるため、自分の荷物をまとめて小屋を出ていった。その日はクリスマス・イブだった。
オーナは丘をのぼり、しげみの下に隠れ場所を見つけた。そして、これまでのことを思い出しながら妖精たちのことを思った。飢饉が妖精にまでせまっていないといいと願いながら、まどろんでいると……。
オーナのまわりにおおぜいの妖精たちが集まっていた。「おまえさんはそのまま、そこですこしねむって、まっているがいい」
オーナはまどろみながらも、妖精たちが歌をうたいながら働いているのを見ていた。「今夜、おれたちは、居心地のいい、クリスマスの小屋をたてるのさ」