ひろしが掘ったのは、自分だけの穴でした

日曜日の朝、何もすることがなかったので、ひろしは穴を掘り始めます。途中、おかあさんやいもうとのゆきこ、となりのしゅうじくんやおとうさんがやってきて、いろいろなことを言います。でも、ひろしはただ穴を掘り続けます。あなの中に座り込むと、静かで、土はいいにおいがしました。ひろしは思います。「これはぼくのあなだ」。穴から見上げる空はいつもよりもっと青く、高く思えました。そして、穴から出たひろしは……。

  • 読んであげるなら
    4才から
  • 自分で読むなら
    小学低学年から
¥1,320(税込)
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基本情報

カテゴリ
絵本
ページ数
32ページ
サイズ
27×20cm
初版年月日
1983年03月05日
ISBN
978-4-8340-0921-7
テーマ

みんなの感想(1件)

4才のいとこへプレゼントしました。 絵本のプレゼントというと、自分も大好きで有名な作品ばかり選びがち。『三びきのやぎのがらがらどん』に『はじめてのおつかい』、『ぐりとぐら』…。 でもちょっと待って!それはもう持っているのでは?持っていなくても、幼稚園で読んでもらったことがあるのでは? そんなとき、ちょっと地味な表紙の、なかなかお母さんに買ってもらえなさそうなこの作品はいかがでしょう。 日曜日の朝、何もすることが無かったひろしは穴を掘り始めます。ただの穴です。何かに使うわけでも、誰かのためでもない、自分のための穴。 子どもの頃には、ただ、何かをすることがありました。それは紛れも無く自分のためで、作ったものは間違いなく自分のものです。またそこから大きな発見があったり、なかったり。でも、子どもには意味の無いことなんかひとつも無いのです。 ひろしは何を求めて、一人穴を掘ったのでしょう。虫のいる土の下を見たかったのでしょうか。それとも腕力を試したかったのでしょうか。 穴の底でひろしは思います。 「これは ぼくの あなだ。」 それ以上の意味など無いのかもしれません。 なかなかいい穴ができたなと、ただ一人感心して放っておいてくれるお父さんもまた良い。谷川俊太郎と和田誠、二人の魅力が活きている。まさに4才から大人まで、みんな楽しめる絵本です。

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