こどものとも年少版124号

へんな おにぎり

こどものとも年少版|1987年7月号

地平線のむこうから雲がわいてくると、その雲は山をおにぎりにし、ビルをおにぎりにしてしまいました。そして、ついにおかあさんまで、おにぎりに……。楽しく怪しい絵本です。

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おにぎり雲  長 新太

 もくもくもく、手のかたちをした雲が出てきて、山やビルやお母さんなどのおにぎりをつくってしまう。ふつう、おにぎりというのは、中に梅ぼし、かつおぶし、たらこなどが入っているけれど、ここに出てくるおにぎりは違う。山がおにぎりになった場合を考えてみると、山にある植物、住んでいる動物、水なんかがみんな梅ぼしみたいに中に入ってしまうのである。ビルの場合も、いろいろなものが中に入ってしまう。お母さんのおにぎりは「マア、どうしましょう」と泣きたくなってしまうのである。そんなお母さんを見たお父さんは「ハハハ、いや、笑っているばあいではない。でも、ハハハ」などと複雑な心境になってしまう。怪しい雲は、へんなおにぎりをつくるために飛んで行く。
 気象庁の人は「高気圧におおわれた東日本は晴れやすく、おにぎり雲が出るでしょう。関東地方には、おにぎり注意報が出ました」なんて言ったりすることになる。強風注意報とおにぎり注意報が一緒に出ると大変なことになる。強い風にのって、おにぎり雲が飛んできて、つぎつぎに山やビルやお母さん、そのほかいろいろなおにぎりをつくって飛んで行ってしまうのである。
 おにぎり雲は清潔な白い雲だからいいけれど、これが見るからに恐ろしい黒い雲だったら、いやーな心地になる。しかし、白い雲だってよく考えてみると恐ろしい。だって、お母さんまでおにぎりにしちゃうのですからね。清く正しく美しいお母さんをにぎってしまうなんて、実に大胆不敵というか、こわいもの知らずというか、とにかく、お母さんをやっつけるのだからスゴイ。おにぎり雲は、人間が食べるような小さなおにぎりはつくらない。なにしろ大きな雲だから、にぎったおにぎりも大きい。地球だって、おにぎりにできるのである。
 おにぎり雲よ、わたしの頭もにぎっておくれ。そうすれば、ちっとは頭もよくなるし、もっとましな絵本をつくることもできるだろう。イヌやネコに食べられてもかまわないからそうしておくれ。などと、わたしは考える。

(1987年)

基本情報

カテゴリ
月刊誌
ページ数
24ページ
サイズ
21×20cm
初版年月日
1987年07月01日
ISBN
テーマ

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