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動物のおかあさん 薮内正幸
春は動物たちの出産シーズンです。自然の中で、あるいは動物園の中で、いろいろな動物の赤チャンが誕生します。いろんな動物の親子をみていると、いつまでたっても、みあきることがありません。
動物――今は、哺乳類に限っての話しにしますが――その動物のくらし方は、千差万別です。しかし、赤ン坊が誕生し、育児に大忙しの彼らには、共通した何か――親子の愛情――というものが感じられます。
人間の目からみると、本当に抱きしめたくなるような愛らしい赤ン坊もいれば、“なんじゃ、こりゃ”と思わず失言してしまうほど、器量の悪い赤ン坊もいます。けれども、それぞれの赤ン坊の親にすれば、かけがえのない宝物でしょう。
親子の愛情の表現にも、我々の目からみれば、器用な動物もいれば、無器用な動物もいます。人間の目にいかにうつろうとも、その親子にとってみれば、十分に情が通いあっていることでしょう。
多くの哺乳類は、生まれた時には、目もみえず、赤ン坊赤ン坊しています。ネズミなどのように、毛がなく、文字通り赤ハダカで生まれてくるものもいます。カンガルーは、未熟児の状態で生まれてきて、しかも、自力で母親の袋の中まではいってゆかねばなりません。極端なのは、カモノハシやハリモグラのように、哺乳類でありながら、卵で生まれてくるものもいます。それとは反対に、草食獣の多くでは、生まれて数時間後には、自分で立ち上がり、歩いたり走ったりできなくてはなりません。そのために、いささか、オマセな感じがします。
哺乳類では、ほとんどの種類の父親は、子育てには参加しません(もちろん例外はありますが…)。みごもった時から、出産、育児、教育という役は、母親におわされているのです。我々の中にも、そういう父親は多いし、かわいがるところだけは参加して、面倒くさいことがおきると、“ちょっと、カーサーン”と逃げる人もいます。しかし、人間とちがって、動物の場合は、自然がそういうふうに与えた“やり方”なのですから、いたしかたありません。
ですから、“動物の親子”をテーマにした絵本を作るとなると、どうしても、画面から、父親の姿が消えてしまうことになるのです。
ほとんどの哺乳類の子は、“おかあさんといっしょ”なのです。
基本情報
- カテゴリ
- 月刊誌
- ページ数
- 24ページ
- サイズ
- 21×20cm
- 初版年月日
- 1983年04月01日
- シリーズ
- こどものとも年少版
- ISBN
- ー
- テーマ
- ー
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