こどものとも年少版66号

おやすみなさいコッコさん

こどものとも年少版|1982年9月号

夜。空の雲も、池の水も、鳥も、みんな眠ったのに、まだ眠らない女の子が一人。コッコさんです。「おやすみなさいコッコさん」と月が静かに語りかけます。

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お楽しみはこれまで!  片山 健

 毎晩、子どもを寝かせるのはひと苦労です。うちの兄妹もなかなか寝ようとしません。おとなにとっては用事をすべて片づけて(片づけなくてもですよ)、あとは寝るだけというのはマッコト甘美な誘惑ですが、子どもにとってはお楽しみはこれまで! あとはただただガッカリの目の前は真暗でしかないのですから、これは当然のことでしょう……
 「これがせきたんやのくまさんのおはなしです。おしまい。さあ寝よう、エライネー」全然エラクないふたりの子どもは鼻白み渋々ふとんにはいりますが、やれ僕のオートバイがない、コッコのキューピーは? お父さんオシッコ、コッコ鼻出た、イチゴのパジャマにする、と、考えられる限りの口実を作ってはイソイソと起き出してきます。それからどんなに注意してもお互いに挑発しあって笑ったり泣いたり、一向に眠った様子はありません。ついに唐紙は開かれ隣室から疾風のようにやってくるのはお父さんです。「いつまでそんなことやってるんだ、毎晩毎晩。歯みがきだって着がえだってそうじゃないか、ダラダラダラダラ。エエ、こういう大事なことをちゃんとしないとどうなるか、お父さんはもうなんにもいわない、わかってるな」するとふたりは声をそろえて「イヤー、わかってる、ちゃんと寝る」というのです。お父さんは「ナニ、わかってる、ちゃんと寝る? 全然わかってないじゃないか、きのうもおとといも二年も三年も毎日毎日わかってる、ちゃんとやるっていってるんだぞ」などというのです。しかし、ということはお父さんも二年も三年も毎日毎日同じことを繰り返しいってるわけで、そう思うとあとはどういってよいかわからなくなり、これも毎日毎日「だからお父さんは心配で心配で自転車など買ってやれないのだ。ひかれたらどうする、エエ」などとまるで脈絡のないことをいっておどかしたりします。こうしてすっかり怒り狂うのですが、やがて兄が眠り妹も眠ってしまうとたちまち後悔の念にさいなまれます。どうしてあんなにガミガミいってしまったんだろう。遅かれ早かれ眠るのに、どうしてもっとユッタリ待ってやれなかったのだろう。眠らない子どもを楽しむくらいの余裕があってもよかったのではないか、などと。そうしてこれも毎晩毎晩、あしたはうんとやさしく子どもとつき合ってやろう、などと思うのです。
 エ、お母さんですか、お母さんはよい子だから、もうとっくに眠っているのですよ。

(1982年)

基本情報

カテゴリ
月刊誌
ページ数
24ページ
サイズ
21×20cm
初版年月日
1982年09月01日
ISBN
テーマ

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