私のいちばん古い記憶の中にある本。 本棚から取り出して読み、そのナンセンスさに驚いた記憶がある。 しばらくして物心が完全につき、他のナンセンス系絵本の意図をだいたい理解できるようになってもこの絵本の意図は最後まで理解できなかった。 やがて声が変わり大人になったとき、私はこの絵本の作者もタイトルもレーベルも忘れていた。 しかしある日、「自分が覚えている最初の記憶はその人の人格形成に深く関わっている」という話を聞いた私は、記憶にある限り自分が初めて読んだ絵本を探すことにした。 そして今、私はこの絵本にたどり着いた。 私という存在について少しだけわかった気がした。