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978-4-8340--*

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いい はが はえる おまじない

こどものとも 2024年4月号

 はじめて歯がぬけたゆうとくんは、いい歯が生えるおまじないをしてくれると約束したおばあちゃんの家に行きました。おばあちゃんとおまじないをした夜、ゆうとくんのところに、なんとその家にすみついているという福ねずみがやってきました。誰でも経験する成長のひとこまを優しく包んでくれるようなファンタジー作品です。

  • 読んであげるなら

    5・6才から

  • 自分で読むなら

カテゴリ : 月刊誌
定価 : 460円(税込)
ページ数 : 32ページ
サイズ : 26×19cm
初版年月日 : 2024年04月01日
ISBN : ―
シリーズ こどものとも

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作者のことば
『もろ』の思い出 まるやまあやこ

このお話は、ある日、ふっと浮かんできたイメージを描いた、一枚の小さな絵から生まれました。ねずみが両手にマッチ棒を持ち、お腹に抱えたマッチ箱をたいこのように叩きながら、こちらへ歩いてくる絵。
私の家はとても古く、ときどき、天井の方から生き物の気配を感じることがあります。古い家は不便も多いけれど、いつも何かに守られているような安心感を与えてくれるところが、とても好きです。この家で母と叔母が育ち、その後、私と妹が生まれました。
そして、この家には、祖母が『もろ』と呼んでいた昔の貯蔵室がありました。『もろ』は、ちょうど一階の和室の真下にあり、その和室で飛び跳ねたりすると、よく祖母に「下に『もろ』があるから、床がぬける!」と𠮟られました。その度に、私は足下の見えない空間を想像しました。『もろ』をじっくり見たのは、上の歯が抜けたとき。祖母が、「上の歯が抜けたら、下に投げると良い歯が生えてくるんだよ」と言って『もろ』の扉を開けてくれたのです。
床下の床板を上げると、石造りの階段が現れました。階段の先には、まるで古代のお墓のような空間がひろがっていました。薄暗いほうへ、私は自分の歯を投げました。はじめて上の歯が抜けたことと、秘密の地下室を見せてもらえた特別感が合わさり、『もろ』の記憶は私の中に強く残りました。母と叔母、私の妹の歯も、まだ『もろ』にあるのかもしれない。その歯を宝物にしているねずみが、この家のどこかにいるのかもしれない……。小さな絵の中のねずみは、そんな空想から生まれました。

共通連載はこちらからお読みいただけます。
 

とじる

みんなの感想(1件)

  • ふくねずみの歌が面白かった。

    ひまゆさん

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